【プロボクシング東洋太平洋・WBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王座統一戦12回戦 東洋太平洋同級王者・永田大士(三迫)○判定● WBOAP同級王者・井上浩樹(大橋) ( 2024年2月22日 東京・後楽園ホール )】
スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(30=大橋)のいとこでWBOアジア・パシフィック・スーパーライト級王者・井上浩樹(31=大橋)が判定負けでアジア2冠を逃した。リングサイドから声援を送った尚弥に白星を届けることはできなかった。
20年の日本同級タイトルマッチでプロ初黒星を喫し、一度引退に追い込まれた因縁の相手に再び苦杯を喫した。序盤こそ積極的に攻め込むも、試合中に拳を痛めた影響で中盤以降はやや手数が減り、相手のパンチを受ける展開が続いた。最終12回は圧力をかけるも、僅差の判定で敗れ「少し焦った。負けたなとは思った」と負傷箇所にも言及はせず、潔く敗戦を認めた。
試合後は引退を示唆し「永田選手に負けて復帰してからの日々は充実していた。悔いはない。やり切った、楽しかったです」と言葉を詰まらせながら話した。永田に敗れ一度競技から離れた自らを責めながら「前より強くなったと思いこの試合に臨んだが、それでもまだ一歩足りなかった。それがやめずに頑張った選手との差」と話した。
試合後、控室を訪ねた尚弥には「(引退の)話はしていないが、何となく感じとってはくれたと思う」と視線を落とした。