井上尚弥、5万超観衆の前で「何もさせずに勝つ」 VS“悪童”ネリ 5・6東京D国内初4大世界戦
2024年03月07日 04:45
格闘技
一方、ネリは開口一番「再び日本の地を踏むことができて大変うれしく思う。まず皆さまに申し訳なかったと謝りたい。2度、皆さまを裏切ったが、今回は節制をして、きちんと調整している」と過去の謝罪から始めると終始、平身低頭だった。井上尚と目が合うと軽く会釈し、写真撮影では両手を前で組み気まずそうにする姿に“悪童”と呼ばれた頃の面影はなかった。
優等生に豹変(ひょうへん)した元世界王者だが、過去の体重超過など、禍根は今も残る。WBCは試合の30日前、15日前、7日前の事前計量を実施し、抜き打ちを含むドーピング検査も徹底し、トラブル再発防止に努める。ネリはすでに60・7キロで60日前の計量をクリア。55・3キロのリミットへ減量は順調だが、大橋秀行会長は「(1ポンドでもオーバーしたら)絶対やりません」と明言した。
戦前から話題には事欠かないが、4本のベルトを持つ井上尚にとって、4連勝中と勢いに乗るKO率75%超の強敵との一戦は最高のモチベーションだ。大橋会長は「怖さは過去一番。これまで尚弥を倒しにくる相手はいなかったが、今回は初めて」と警戒する。日本人がメインでは最多となる5万人超の観衆が見込まれる一戦。「過去一仕上げなければいけないし、ネリに対して何もさせずに勝つことを目指したい」。4団体統一王者としての意地と誇りを示す。
○…4大世界戦が組まれた同興行は国内初の“クアドラプル世界戦”となった。創立30周年を迎える大橋ジムからは4選手が出場。先月、防衛に成功したばかりの井上尚の弟、拓真は中2カ月で強行出場。さらには元K―1王者の武居がボクシング転向3年、わずか9戦目で世界初挑戦。井上尚が20年に対戦した強敵J・モロニーに挑戦し勝てば国内初のK―1&ボクシング世界王者となる。