井上尚弥 重いドヘニーを軽くKOだ! 3日ゴングW世界戦“急速増量”挑戦者を速さと技術でねじ伏せる

2024年09月03日 05:00

格闘技

井上尚弥 重いドヘニーを軽くKOだ! 3日ゴングW世界戦“急速増量”挑戦者を速さと技術でねじ伏せる
計量パスし握手を交わす井上(左)とドヘニー(撮影・島崎 忠彦) Photo By スポニチ
 【ダブル世界戦 世界スーパーバンタム級4団体タイトルマッチ   統一王者・井上尚弥 12回戦 WBO2位 TJ・ドヘニー ( 2024年9月3日    有明アリーナ )】 ダブル世界戦の前日計量が2日、横浜市内のホテルで行われ、世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31=大橋)はリミットの55・3キロで一発パスし、究極の肉体を披露した。対する挑戦者TJ・ドヘニー(37=アイルランド)は200グラムアンダーの55・1キロでクリアも、水抜き減量で一気に体重を落とした様子がうかがえた。約12キロ増量してリングに上がった経験のある挑戦者に対し、王者は自分には通用しないと一蹴。18年には12キロ増のジェイミー・マクドネル(英国)を1回でリングに沈めており、ドヘニー戦でも再現する。
 バキバキの肉体を披露し、はかりを下りた井上は、ゆっくりと飲み物を胃に流し込みながら挑戦者の様子をうかがった。帽子を目深にかぶり、うつろな目のドヘニーは、計量をパスすると500ミリリットルの水を一気飲み。「だいぶ水抜いたなって感じ」と驚きの表情を浮かべた王者は、自信のコメントを続けた。

 「自分相手に、そんな10キロ以上戻したらボクシングできないぞ、というところを見せてやりたい」

 ドヘニーは昨年10月のジャフェスリー・ラミド(米国)戦で、前日計量の55・2キロから、試合当日には67・5キロまで増量させ、元アマ全米王者に1回TKO勝利。今回も10キロ以上増量することが予想されるが、井上は「階級のあるボクシングは体重があればいいわけではない」と速さや技術で圧倒する構えだ。実際、18年に12キロ増のマクドネルを1回でリングに沈めた。大幅増量の相手には耐性がある。大橋秀行会長も「重くなればデメリットもある。(決着は)前半になるのでは」と減量の影響で後半まで体力が持たないと分析し、早期決着を予想した。

 「Ready(準備はできている)」とだけ言い残し、会場を後にしたドヘニーには頭を撫でられた。「フレンドリーそうだが、気合は物凄く感じられた。いつも以上に集中したい」と圧倒的優位予想にも慢心はない。

(日本選手単独トップ/世界戦23勝も頂く/) 勝てば井岡一翔を抜いて日本選手歴代単独1位の世界戦23勝となり、KOで仕留めれば、自身の持つ日本人最多世界戦連続KO勝利を9に更新する一戦。どんな相手だろうと、早期KOで粉砕する。

 ▽水抜き減量法 筋肉をなるべく落とさず、計量直前に水だけ抜いて一気に体重を落とす方法。計量数日前から塩分カットを始めながら、毎日3~4リットルの水を飲んで筋肉に水を蓄える。計量前日にサウナや半身浴で汗を出す方法が一般的で、2~3キロ体重が落ちると言われる。その分、体重は戻りやすく、規定体重よりも大幅に重い状態で試合に臨める。一方で体への負担が大きいとの意見もあり、発作やけいれんを起こして救急搬送された例もある。運動と食事制限により脂肪を落とす、従来の減量法のみを認めるジムも存在する。

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