【菊花賞】クリンチャー絶好枠!Vトレンドの「内」に師も笑顔
2017年10月20日 05:30
競馬
19日午後2時すぎ、栗東トレセン投票所で枠順を確認した(4)クリンチャーの宮本師が満面に笑みを浮かべた。「いい所に入った。ジョッキー(藤岡佑)も“内ピッタリを回りたいから内枠が欲しい”と言っていたし希望通り」とご機嫌だ。
よほど外差しの馬場にでもならない限り、内が有利な淀3000メートルの舞台設定。距離が長い分、外枠でも“道中でリカバリーできる”と思われがちだが、実際はそうでもない。スタートして内の経済コースを取り、折り合いに専念するのが、近年の“菊Vトレンド”だ。
クリンチャーはデビュー2戦目の未勝利を最下位14番人気でV(単勝244・8倍)。皐月賞も13番人気ながら先行して見せ場十分の4着に粘った。今回も伏兵扱い濃厚だが、G1でも通用するポテンシャルは秘めている。急仕上げだった秋初戦を叩いて、状態はアップ。指揮官は「追い切りの動きも良かったし、1回使って雰囲気が変わった」と前走のセントライト記念9着から一変を示唆する。
先週の秋華賞は14番枠のディアドラが制したが、道中で内ラチ沿いに導いた名手ルメールの“神騎乗”によるもの。2〜7着馬の馬番は(7)(4)(2)(8)(3)(1)と、内枠勢が上位を占めた。今や「内枠有利」は世界的な競馬の主流。今秋のフランスG1凱旋門賞で馬券に絡んだ3頭のゲート番は、2→3→1(18頭立て)だった。
勝負事には運も必要。指揮官は「パワーがあるから道悪は大丈夫。折り合いは心配ないし、距離もこなせると思う」と力強く締めくくった。“決定打”を意味する馬名通り、クラシック最終戦をモノにしてみせる。