【NHKマイルC】カツジ、以心伝心仕上げ ラスト11秒9
2018年05月03日 05:30
競馬
カツジは前哨戦のニュージーランドTを後方からブチ抜いたことで主役としてクローズアップ。調教過程は前走と同じで、1週前に坂路でビッシリ、当週はCWコースで単走サラリ。6F83秒6でラスト1Fは楽走でも11秒9を計時。
「直線の動きも素軽かったし、上がってきてから息の入りも良かった。前走と同じいい状態で出せる」。東京への輸送も考慮して馬なり仕上げ。中山で勝ったからこそ、この方法に指揮官も胸を張る。
松山の言葉で興味深かったのは前走のニュージーランドTの位置取りだった。「スタートは五分に出たんだけど、自分から進んでいかなかった。そこからリズム重視でせかさないようにしたらあの(後方)ポジションになった。折り合いもついて反応も良かった」
松山が意図して狙った策ではないのか。「中山はスタートからポジション争いが激しいですからね。ヘヘへっ」と、けむに巻いていつもの緩い表情に変わっていた。
察するにこうだ。松山は2走前のきさらぎ賞の敗戦(5着)を踏まえて、これまでの好位追走から後方待機策に転じ、新味を発揮させる手段にあえて打って出たように見える。いずれにしろ破壊力を示す見事な一戦だった。師匠の支えをバックに弟子がリスクを怖がらず打った後方待機策か。“脱”優等生となった新生カツジと松山の本番が楽しみだ。