【宝塚記念】ロケットG1初V!和田、オペラオー以来戴冠に涙
2018年06月25日 05:30
競馬
「長かったですね。この一戦に懸ける思いが強かった。オペラオー(5月17日に心臓まひで急死)が後押ししてくれたと思う」
完璧なレース運び。スタート直後に内ラチ沿いへ誘導すると、道中は好位直後で流れに乗った。直線手前で逃げたサイモンラムセスをかわし、外にいた1番人気サトノダイヤモンドと馬体を併せて直線へ。あっさり同期のライバルを振り切り、ゴールまで伸びた。
「ロングスパートをかけようと。勝負どころで付いていければ、直線も頑張ってくれると思っていたから。長くコンビを組んでいたし、特長を生かせたかな」
ミッキーロケットとは3歳秋から1年半、コンビを組んできた。癖を知り尽くした騎乗は、鞍上がデビューから手綱を取り続けたテイエムオペラオーとのコンビを見ているようだった。「勝ってオペラオーに報告したかったし、これで胸を張って(合いに)行きたい」と安どの表情。
01年、オペラオーの引退後に相棒の元を訪れたことはあったが、その後は再会することなく天国に旅立った。死んだ翌週には北海道に向かい、かつてのパートナーに手を合わせた。
「僕も意固地なところがあって…。G1を勝ってから合いに行こうと思っていた。この前、行かせてもらって、肩の荷が下りた感じだった。こだわらなくていいと。晴れ晴れしい思いで帰ってこられた。“おいで”と言っていたのかな」
鞍上の宝塚記念Vは2度目。「オペラオーの時は馬の力が抜けていてG1を勝たせてもらった」と当時を振り返り「本当の実力で勝ちたいと思っていた。前走から“いける感触”はあった」と喜びをかみ締める。
音無師は「全部、和田に任せていた」と鞍上を信じた。秋は京都大賞典(10月8日)からジャパンC(11月25日、東京)を目指すローテが有力。
和田の代名詞でもある勝利インタビューで発する“シャー”は封印!?したが「喉は温めていたけど、もう年なんで…」と笑わせ「僕も年を取ったが今からでも競馬を盛り上げていける」と締めくくった。夏競馬も、この男から目が離せない。
◆ミッキーロケット 父キングカメハメハ 母マネーキャントバイミーラヴ(母の父ピヴォタル)牡5歳 栗東・音無厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績22戦5勝 総獲得賞金3億6247万8000円。