馬体重27キロ減で不安ムードに包まれた香港馬ワーザーだったが、G1・4勝馬の破壊力を見せつけた。鞍上のH・ボウマンはスタートから巧みに内に潜り込む。早めに動く馬にも動じず直線勝負に懸けた。白いチークピーシーズを揺らし猛然と追い上げる。最後はサトノダイヤモンド、ノーブルマーズを完封しミッキーロケットとの一騎打ち。勢いは完全にワーザーだったが、踏ん張る勝ち馬に首差届かなかった。
惜敗にもボウマンは「ソフトな馬場が合うと言われるけど、むしろ今日のような馬場が合う。最後はいいパフォーマンスを見せてくれた」と前を向いた。名伯楽のJ・ムーア師は「(馬体重は)減っていたが、レースでどうだったかは分からない。全力は出し切れたと思う」と健闘を称えた。ワールドクラスの力を見せた香港の雄。2着でもその存在感は際立っていた。