【ジャパンC】スワロー95点 夏超え大人に、一変して穏やか
2018年11月20日 05:30
競馬
この穏やかな姿は悟りを開くために修行を重ねる菩薩(ぼさつ)像とオーバーラップします。金剛力士立像も作った快慶の作品でいえば、1189年に造立した弥勒(みろく)菩薩立像(米国・ボストン美術館所蔵)。ふっくらした温和な顔立ちの菩薩です。さすがに修行を終えて悟りの境地に達した如来とまではいきませんが、今春からの心境の変化を伝える立ち姿。ひと夏の修行で大人になったのかもしれません。
馬体もこの菩薩立像のようにみずみずしい筋肉美の造形です。トモの筋肉は力をみなぎらせて立っていた大阪杯時ほどの躍動感がありませんが、その代わりに柔軟さが目立つ。中長距離仕様のゆったりとしたつくりで、どこにも窮屈さがない。
サラブレッドが走る芸術品だとすれば…。金剛力士立像から弥勒菩薩立像へ変身したミッキースワロー。つばめ返しの反転攻勢が可能な立ち姿です。