【有馬記念】“騎手界の二刀流”熊沢から同志へエール「凄い決断」
2018年12月22日 05:30
競馬
ただ、果敢な挑戦に対しては賛辞を惜しまない。「この仕事は夢を追うことが一番。そういう意味で凄い決断だと思う。誰もやったことがないことをやるのは勇気がいること。勝ち負けの前に、レースに出ないことには結果もついてこない。それにファン投票3位。ファンが支持して競馬の注目度も上がるのは何よりだと思う」
熊沢の平地G1制覇はダイユウサクのほかに88年オークスのコスモドリームが10番人気、05年阪神JFのテイエムプリキュアが8番人気。大舞台での常識を覆す激走で何度もファンの度肝を抜いてきた。諦めないことの意味を身をもって知るベテランのエールには重みがある。
「もったいないという気持ちもある。障害ならもっともっと連勝を伸ばせたはず。効率のいい飛越と豊富なスタミナ。障害なら抜けた能力の持ち主だから」。50歳を過ぎてなお、平地、障害に乗り続ける騎手界の二刀流は正直な気持ちを口にして、最後にこう付け加えて笑った。「これで僕の馬のチャンスも広がったかな」。絶対王者が不在となった今年の中山大障害。熊沢はエアカーディナルで18年最後の大一番に臨む。
◆熊沢 重文(くまざわ・しげふみ)1968年(昭43)1月25日生まれ、愛知県出身の50歳。86年3月デビュー。同期に横山典、松永幹師ら。同29日阪神8RジュニヤーダイオーでJRA初勝利。88年オークスをコスモドリームで制しG1初勝利。12年中山大障害をマーベラスカイザーで勝ち史上初の平地&障害G1制覇を達成。15年には史上初の平地・障害200勝を達成するなど二刀流で活躍。JRA通算1万4937戦1028勝(うち障害235勝)。重賞31勝(うち障害15勝)。