2月カタールG1挑戦 森師は再び世界をあっと言わせる
2019年03月08日 05:30
競馬
「芝の状態や出走馬のレベルもよく分かりました。今後、狙っていく価値のある場所だと思います」
今回の開催は3日間連続。ユウチェンジが出走したのは2日目だったが、最終日には芝2400メートルで賞金100万米ドル(約1億1170万円)のエミールトロフィー(カタールG1)が目玉の一つとして用意されている。このあたりの下調べに目を光らせる伯楽の姿がそこにあった。
思えば日本調教馬として初めて海外でG1を制したシーキングザパールは森師の管理馬だった。1998年の話である。当時まだ日本の競馬ファンの間にはそう知られていないモーリスドギース賞に挑戦し、これを優勝した。私も現場に立ち会わせていただいたが、フランスのG1を目指すのにイギリスのニューマーケットに滞在させて直前に輸送する斬新なやり方には目をむいた。そして、実際に偉業を達成した時にはさらに驚かされた。
その後も日本ではG1勝ちのなかったアグネスワールドで遠征すると英仏でG1勝ち。また、皐月賞1着、ダービー2着のエアシャカールで、その夏のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSに出走。勝つことはできなかったものの固定観念を打破した挑戦に感服させられたものだ。
今回のユウチェンジの挑戦も一つの布石となり、森師が今後また世界のどこかで、あっと言わせる成果を残す。そんな日が来ることを信じたい。(フリーライター・平松さとし)