【スプリングS1週前追い】菜七子キュアン 思い出の場で皐月切符を

2019年03月08日 05:30

競馬

【スプリングS1週前追い】菜七子キュアン 思い出の場で皐月切符を
スプリングS1週前追い切り 坂路でキュアンの追い切りに騎乗した藤田(撮影・村上 大輔) Photo By スポニチ
 中山G2スプリングS(17日、皐月賞トライアル)への出走を決めたキュアン(牡3=林)と再コンビ結成の藤田菜七子(21)が7日、1週前追いに騎乗した。雨でぬかるむ美浦坂路をものともせず、パワフルな動きで併入。昨年8月新潟新馬戦(10着)で騎乗した鞍上は、確かな成長を感じ取った。晴れてゲートインを果たし、皐月賞優先出走権の3着以内を確保なら、夢のクラシック初騎乗のビッグチャンス到来だ。
 菜七子を背にキュアンがG1切符獲りに猛デモだ。雨でグチャグチャに湿った坂路もなんのその。残り2Fすぎではクリプトカレンシー(3歳未勝利)を抜き去る勢い。最終的には馬体を並べてフィニッシュ。4F52秒7〜1F13秒1(いっぱい)。4F52秒7は7日に坂路で追った馬の中では4位の好時計だった。

 約半年ぶりに騎乗した菜七子は「しっかりとやって…の指示だったので、しっかりやりました。動き的には良かったと思います。パワーアップしている印象です」と成長を実感した様子。キュアン初勝利は昨年12月中山、それもダート1800メートル戦。皐月賞切符を懸けた芝G2では到底勝負にならないのが普通。ただ、力感たっぷりの好時計を見せつけられると、期待が自然と高まってくる。

 菜七子に再オファーした林師は「レースで乗っていますけど、もう一度特徴をつかんでもらうために乗ってもらった。(初V後の放牧先の)山元トレセンで手をかけていただいたおかげで、馬も凄く良くなっています。格上挑戦ですけど、状態の良さを生かして頑張ってほしい」と熱く語った。

 特別登録は10日。フルゲート16頭を超す登録馬があった場合、収得賞金400万円の同馬は抽選対象になるが、過去5年でフルゲート(14年15頭、15年12頭、16年11頭、17年11頭、18年13頭)になったのは一度もない。無抽選でゲートインできる可能性もある。昨年開業の林師は「芝は新馬で負けていますが、バリバリのダート血統でもない。藤田ジョッキーはスタートがうまいので、しぶとさを生かし、前で粘り込む競馬がベストだと思う」と厩舎初のG1切符を、メキメキと腕を上げている鞍上に託す。

 スプリングSは菜七子とは深い縁がある。デビュー直後の16年3月20日にJRA重賞初騎乗を飾った“原点回帰”の思い出重賞だ。菜七子は「このようなチャンスを頂いてありがたいです。精いっぱい頑張ります」と感謝した。自力で3着以内をもぎ取れば、フェブラリーS(コパノキッキング=5着)に続く2度目のG1騎乗、さらに念願のクラシック初騎乗も見えてくる。キュアンの510キロを超すビッグな体には、菜七子の大きな夢が詰まっている。

 ▽16年スプリングS 菜七子はまだJRA未勝利だったが弥生賞9着馬モウカッテル(牡=森、9番人気)の依頼を受けJRA女性騎手として最速となるデビュー16日目での重賞騎乗を果たした。中団を積極的に進んだが直線では後退し勝ち馬マウントロブソンから1秒離された9着に終わる。「同じレースとはいえ(重賞は)違う雰囲気でした。直線は馬は頑張ってくれましたが、伸び切れませんでした」と無念の表情。

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