【大井・東京スプリント】菜七子キッキング惜しい2着 女性初ダートグレード制覇ならず
2019年04月11日 05:30
競馬
「負けてしまって凄く悔しい。最後は外に出して馬も伸びてくれたんですけど。勝った馬にうまく乗られたというか、勝った馬が強かったです」
村山師が「やってしまう馬なので」と懸念していたスタートでいきなり最後方に置かれた。しかし、そこから内を上がってすぐにリカバー。スムーズに外へ出すと、末脚を最大限に生かした。後方からの直線一手となったフェブラリーS(5着)から示した違い。師は「位置を取りにいってうまく立ち回った」と鞍上をかばった。
「(キッキングは)ナイターも不良馬場も初めてだったと思いますが、音やナイターの雰囲気で前回よりはテンションが高かった。馬の状態は相変わらず良さそうだったんですが」と菜七子。ダートグレード競走2着は06年浦和記念の山本茜(引退)に並ぶ女性騎手最高着順。それでも喜びは全くなかった。
16年のデビュー以降、騎乗馬に恵まれない時期も地方で腕を磨いてきた。「正直、体力的にしんどい時もあります。それでも少しでもうまくなりたいし、依頼していただければ行くようにしている」。菜七子のスマホには直接、地方関係者からの依頼が届き、予定が空いていれば二つ返事で駆けつけた。遠征した地方競馬場は実に12場。地方行脚で磨いた腕はこの日も輝いた。
キッキングの次走は交流G1かしわ記念(5月6日、船橋)か交流G3北海道スプリントC(6月6日、門別)を予定。秋には米G1・BCスプリント(11月2日、サンタアニタ)参戦プランもあり「もっともっと走れる馬だし、今後も期待は大きい」と菜七子。リベンジの機会はすぐにやって来る。
▽ダートグレード競走 国内で行われる重賞競走のうち、格付けされた中央、地方馬が出走できるダート競走を指す。格付けはJRA、NARなどから組織された日本グレード格付け管理委員会が行う。国際レースは「G」、それ以外は「Jpn」で格付け。東京スプリントは「Jpn3」だが、スポニチでは便宜上「交流G3」と表記している。