メールドグラース距離延長でも強さ披露!?
2019年10月18日 05:30
競馬
ところで同厩舎の海外遠征は18年3月、ドバイのゴドルフィンマイル(G2)に挑んだアキトクレッセント(14着)以来だが、この厩舎の海外遠征の原点は13年までさかのぼる。この年の暮れ、香港C(G1)に挑んだトウケイヘイローが厩舎で初めて国境を越えての挑戦だった。直前の天皇賞・秋で10着と大敗していたことから、それほど注目されなかった同馬だが、ハナを奪うと直線に向いても逃げ脚は衰えない。結果、ラスト50メートルでつかまったものの2着に健闘してみせたのだ。
中距離戦線で活躍し、この後、ドバイやシンガポールにも遠征したトウケイヘイローだが、元々は短距離戦を中心に走っていた。
「短い距離でも折り合わすのが大変な馬。京王杯SC(13年)で惨敗してしまい、安田記念を除外になったので、仕方なく回った鳴尾記念を勝つと、その後、函館記念、札幌記念と3連勝。すっかり中距離の馬になりました」
当時、清水久師はそう語っていた。
さて、今回のメールドグラースは決戦の地となるコーフィールド競馬場を15日の朝にスクーリング。追い切りもここで行ったが、多少チャカチャカするそぶりを見せ、果たして距離延長は大丈夫か!?と感じさせた。しかし、良くも悪くも人間の思った通りには運ばないのが競馬であり人生だ。先輩トウケイヘイローがそうだったように、意外とこの距離でさらなる強さを披露するかもしれない。メルボルンCへ向け、夢の広がるような走りを期待したい。 (フリーライター)