京都外回りのゴールが遠かった。クロコスミア(牝6=西浦、父ステイゴールド)は3枠6番からジワッとハナへ。前半1000メートルが62秒8と絶妙なペース配分。3コーナーを過ぎて自らアクションを起こした。スッと加速して後続との差を広げる。余力を残して直線へ。2番手から迫るラヴズオンリーユーを振り切ったものの、あと1頭いた。ラッキーライラックだ。ラスト100メートルまで先頭で粘りながら最後はイン強襲に屈して2着。一昨年、昨年と同じく2着に敗れた。前週の落馬負傷で休養をしいられた戸崎に代わり、急きょ藤岡佑と初コンビを結成。鞍上が悔しそうに振り返る。
「初騎乗だったので陣営からアドバイスをもらっていました。いい感じにペースを落とせて(2番手に)ラヴズオンリーユーがいるのが分かっていたので3コーナーから強気に突き放しました。あともう少しだったけど…。あそこまでいったら勝ちたかったです」
今年こそ。その思いは届かなかった。それでも続けて出るだけで値打ちがある大舞台で3年連続の銀メダル。胸を張れる実績だ。西浦師は「最高の競馬。よく頑張ってくれたし、何も言うことがない」と力走をたたえた。オーナーサイド(大塚亮一氏)によると今後は有馬記念(12月22日、中山芝2500メートル)を視野に入れて調整していく。悲願のGI制覇へ。6歳牝馬のチャレンジは続く。