【有馬記念】フィエールマンを管理、コロナ禍の開催を支えた「手塚本部長」

2020年12月23日 05:30

競馬

【有馬記念】フィエールマンを管理、コロナ禍の開催を支えた「手塚本部長」
日本調教師協会・関東本部長の手塚師 Photo By スポニチ
 【 特別な有馬(3) 】 フィエールマンを管理する手塚師には、日本調教師会・関東本部長というもう一つの顔がある。美浦所属97人の調教師の代表として、数々の取り決めをまとめてきた。そんな中で起きた未曽有のコロナ禍。競馬サークルの人間を守りながら開催を続ける。誰も経験したことがない戦いが始まった。手塚師は「例年ならJRAとの折衝は番組編成などが中心。それが今年はコロナ、コロナでした。ずっとテレワークで話し合い。ストレスで太りましたよ(笑い)」と少し疲れた表情で振り返った。
 現在、美浦トレセンは大幅な入場制限がかかっている。牧場関係のスタッフはいまだに立ち入り禁止。馬主も馬房で愛馬に合うことはできない。競馬場も似たような現状で、多くの関係者が不自由を強いられている。師は「本当に馬主さんやスタッフには理解を頂いて感謝している。調教師も例年なら馬産地に通って入厩させる子馬を見たいんだけどね。みんなが感染者を出さないという気持ちを持っている」と感謝の言葉を並べた。

 他スポーツやイベントが続々と中止になる中、無観客時期があったとはいえ、ここまでの全日程を消化した中央競馬。一度でも開催が止まれば、牡牝の無敗3冠も史上初の芝G1・9勝の偉業も目にできなかったかもしれない。師は「皆さんが不安を抱えた生活を送る中で、我々には“娯楽を提供する責任がある”と思ってやっています。ファンの皆さまにもご迷惑をおかけしていますが、これからも踏ん張って開催を続けていきたい」と心境を語った。

 「私は趣味が競馬しかないけど、在宅が増えて映画を見たりとこれまでにない息抜きの仕方を覚えた。それだけはよかったかも」と笑った師。表には出にくい関東本部長の戦いが、忘れられない20年の中央競馬を支えた。

 ◆手塚 貴久(てづか・たかひさ)1964年(昭39)9月20日生まれ、栃木県出身の56歳。89年から相川、佐藤林厩舎の厩務員、佐藤全厩舎の調教助手を経て、98年に調教師免許を取得。翌99年開業。JRA通算5651戦547勝(重賞27勝)。主なG1勝ちは13年桜花賞(アユサン)、18年菊花賞、19&20年天皇賞・春(フィエールマン)

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