【根岸S】レッドルゼル ロードカナロア産駒初ダート重賞制覇!安田隆師は息子・翔師と父子ワンツー
2021年02月01日 05:30
競馬
そんなうっ憤をまとめて晴らすV走だ。中団でぴたりと折り合うと、直線では1頭分だけ空いた馬群のすき間を抜き抜ける。同師の次男、安田翔師が送り出したワンダーリーデルを頭差振り切った。「直線でも手応え抜群。着差はわずかでしたが、負けた気がしませんでした」と、主戦・川田が振り返る。「次の1600メートル(フェブラリーS)につながるようなレースをしました」。200メートルの距離延長にも手応えをつかめる重賞初制覇。安田隆師も「1頭分のスペースをサッと抜けてくるあたりが凄い。道中はじっくり構えていたし、マイルになっても不安より楽しみのほうが大きい」と続けた。
栴檀(せんだん)は双葉より芳しという。「先生、ダート向きの乗り味ですよ」。調教スタッフが同師に砂の才能を伝えたのは2歳の秋だった。馬力で押しまくる走り。芝の新馬戦3着後、ダートに矛先を変えると大差勝ちを演じた。3歳以降は折り合い難を抱えていたが、「最近は掛からなくなりました。調教では相変わらずガツンといくけど、レースではスムーズに走れるんです」と同師。成長したのは気性だけではない。デビュー時468キロだった馬体重はこの日494キロ。「毎年夏は休ませながら大事に使ってきて、ようやく本格化してくれました。トモ(後肢)がガチッとして一層ダート馬らしい体つきになりました」
フェブラリーS優勝馬に育てたトランセンド、グレープブランデーと比べても遜色ない屈強のボディー。西の敏腕トレーナーに3度目となる真冬の砂のG1タイトルを意識させるロードカナロア産駒だ。
≪幅広く活躍馬輩出≫ロードカナロア産駒の重賞ウイナー(JRA+海外)はレッドルゼルで15頭目だがダートは初制覇。芝G1・9勝の金字塔を打ち立てたアーモンドアイを筆頭に、1000メートルのアイビスSDから2500メートルの目黒記念まで幅広いカテゴリーで活躍馬を出している。前哨戦を快勝したレッドルゼルはフェブラリーSで産駒のダートG1初制覇を狙う。
◆レッドルゼル 父ロードカナロア 母フレンチノワール(母の父フレンチデピュティ)16年3月25日生まれ 牡5歳 栗東・安田隆厩舎所属 馬主・東京ホースレーシング 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績15戦7勝(重賞初勝利) 総獲得賞金1億7428万4000円。馬名の由来は冠名+熱望(フランス語)。