【関屋記念】カラテ 得意の「形」持ち込む、好位からグイッ!一撃必殺だ
2021年08月11日 05:30
競馬
世界にアピールした空手魂を競走馬の「カラテ」が引き継ぐ。小田切光オーナーはオレハマッテルゼ(06年高松宮記念)など数々の珍名馬で名を売った小田切有一氏の子息。気がつけばカラテも今や世界に通用する馬名。父譲りのネーミングセンスが光る。
カラテだけに勝利の「形」がある。4歳冬からG3東京新聞杯を含む3連勝で覚醒。中団追走から早めに並びかけ、最後にグッと抜け出す得意の戦法でライバルを蹴散らしてきた。
勢いに乗って挑んだ前走・安田記念は13着。ただ、大敗には理由がある。蹄の不安からダービー卿CTを回避するなど調整が順調でなかった。後方追走と得意の「形」に持ち込めなかったのも痛かった。高橋祥師は「挫石で長い間休み、足りない感じで競馬を迎えてしまった」と振り返る。
ここで敗者復活だ。中間は早々と放牧で立て直し、ここを目標に乗り込んだ。1週前は坂路で軽快にしまいを伸ばした。「今は脚元の不安はない。動きもまずまずのところまで戻ってきた。ここまでうまく来ている」(同師)
西の橋田師と並ぶ、競馬界最長のキャリア38年を誇る高橋祥師。自らポイントを語った。「冬場の荒れた中山で勝ってきた。それを考えると速い馬場への対応が鍵。ただ、東京新聞杯の時は時計が良かった」。カラテはスピードとパワーを併せ持つと考えていい。時計は速いが最後のひと押しが必要な今の新潟コースは適しているように思える。
空手のあいさつ「押忍(おす)」は「我慢の時こそ心を磨け」という意味がある。安田記念敗退で心を強化したカラテ。さあ、重賞2個目の金を獲りにいく。