【鈴木康弘「達眼」馬体診断 】
馬の立ち姿には厩舎のしつけや教育が表れる。グランアレグリアの立ち方を見てください。いつでも四肢を定位置に置いた正しい姿勢できちんと写真に納まっている。藤沢和厩舎の馬だとすぐに分かります。厩舎で生活する年月を重ねるにつれて落ち着きも増してきました。立ち姿には力みひとつありません。穏やかな目、耳の立て方、鼻孔の開き方もごく自然です。尾もゆったりと流している。これほどリラックスしていれば、2000メートルをこなせるかもしれない。
今春も何度か指摘しましたが、馬体は短距離仕様です。首から肩、トモにかけて強じんで大きな筋肉をつけています。余裕をもって中距離を走るには強すぎる筋肉です。背中も腹下も短めのマイラー体形。距離延長がプラスになるとは言いがたい。休み明けとあって、今春に比べて腹周りにも余裕があります。それでも、とても良くしつけられた穏やかな立ち姿なら…。距離の壁に挑む価値はあります。