【福岡・クイーンズクライマックス】田口 笑顔の初戴冠、G1・3勝目「楽しめたし出来過ぎで怖い」
2022年01月01日 05:30
ボートレース
「今でも信じられないです。なんかフワフワしている感じ。博多に来る前からいつもしんどい思いをしているので、今節は楽しもうと思っていました。1節間楽しめたし、(21年は)出来過ぎで怖いですね」
優勝戦は昨年の田口を象徴するようなアグレッシブなレースで、最高の結果をたぐり寄せた。コンマ12の全速スタートを決めるとグイグイと舟を伸ばし、必死に抵抗を試みるインの平高を捲って“制圧”。バックは全速捲りを放った遠藤と併走になったが、1周2マークを丁寧に先取り、勝利を決定づけた。
「スタートは全速。その分出て行ったかな。特訓に出て“これならいける”と思った。バックの足も良かったし、初日のようないい雰囲気に戻っていました」
昨年9月に福岡で24場制覇を決めた時は、あふれる涙を抑えるのでいっぱいだった。悲壮感にあふれていたシリーズ。常にピリッとした空気を漂わせ、同じ岡山支部の先輩、後輩でも話しかけづらかったほどだ。今回は違う。ピットでもずっと柔和な表情。ティアラとともにはじけた“節子スマイル”がすべてを物語る。
「プレッシャーは少しでも少ない方がいいので、あの時優勝できていたのが今節走るにあたって大きかった。24場全場制覇とクイーンズクライマックス優勝、どっちがうれしいかって聞かれたら、どっちもうれしいに決まっているじゃないですか(笑い)」
この優勝で今年3月に大村で開催されるSGクラシックの権利を手にしたが、田口には一つだけ揺るがない決意がある。
「もっと成長できるように、いろいろなことを試していきたい。お客さんが舟券を買ってくれている。舞台に関係なく、一走一走自分が納得できるレースをしていきたい」。22年もファンの期待に全力で応える。それが田口がプロとして見せる生きざまだ。
▽12R優勝戦VTR 進入は枠なり3対3。2コースからコンマ12のトップスタートを決めた田口がスリットでイン平高をのみこみ、1マークを先制。外全速戦を仕掛けた遠藤を制して2マークを先取った。2番手は遠藤が確保。接戦となった3着争いは、立て直した平高が渡辺の猛追を振り切った。
◇田口 節子(たぐち・せつこ)1981年(昭56)1月14日生まれ、岡山県出身の40歳。“銀河系軍団”85期生として99年10月に下関でデビュー。G1タイトルは11年三国レディースチャンピオンなど通算3勝。主な同期に田村隆信、井口佳典、森高一真ら。1メートル62、血液型AB。
《次走》平高奈菜と守屋美穂は11日からの尼崎G1センプルカップに出場し、浜野谷憲吾、毒島誠、西山貴浩らと対決する。田口節子は11日からの児島ヴィーナスシリーズで、寺田千恵、海野ゆかり、鎌倉涼らが相手。渡辺優美と平山智加は3日からの大村G3オールレディースで、松尾夏海、実森美祐らと激突する。遠藤エミは8日からのとこなめファン感謝3daysで、原田幸哉、細川裕子、平本真之らと覇権を争う。