“ボートレース界の貴公子”山崎智也引退 2000勝目前も「楽しい気持ちが薄れてきた」

2022年04月14日 05:30

ボートレース

“ボートレース界の貴公子”山崎智也引退 2000勝目前も「楽しい気持ちが薄れてきた」
12年にグランプリを初優勝した山崎智也 Photo By スポニチ
 “ボートレース界の貴公子”あるいは“ライジングスター”の異称で絶大な人気を博した山崎智也(48=群馬)が13日、現役を引退した。SG優勝11回、G1優勝31回を誇る“巨星”は通算2000勝を目前にしつつも、自分の信念に従って静かに別れを告げた。
 山崎は13日、日本モーターボート競走会に選手登録消除申請書を提出し、受理された。引退の理由については競走会を通じて「仕事はずっと楽しみながらやってきたが、最近は勝つことに対して楽しいという気持ちが薄れてきた。今月の宮島を走った時に、今のメンタルでオールスターを走るのは、お客さまに申し訳ないという気持ちと、出場枠の一つを無駄にしてしまうという思いになった」とコメントした。

 ラストレースは9日の宮島周年記念最終日5R(3着)。近況は成績が緩やかに下降しており、昨年11月以降の現況勝率は5・97。96年後期から守り続けたA1級キープは厳しい状況となっていた。ただ節目の通算2000勝まであと「32」での決断。「まだできた」の声もある一方で、同期の角谷健吾は「お金や物欲ではやっていない選手。勝った時の気持ち良さをモチベーションにしていた。だから、そんなに長くやると思っていなかった」と、近しい人は山崎の決断を冷静に受け止めている。

 97年ボートレースダービー(からつ)でSG初優出V。端正なマスクと果断なレースから元々人気は高かったが、デビュー5年目で名実共にトップレーサーの仲間入り。01年にはグランプリ優勝戦でフライングを犯すなど浮き沈みはあったが、とりわけ強さを見せたのは10年、当時の女子トップレーサー横西奏恵さん(引退)と結婚して以降。12、15年に2度のグランプリ制覇を果たした。SG11Vは野中和夫さん(引退)、松井繁に次ぐ3位タイ。11年5月、尼崎オールスター初日ドリーム戦では横西さんと“夫婦対決”。横西さんが1着、山崎が3着。横西さんは「智也さんのペラのおかげ」とのろけ、山崎は「負けたくないと意地になり過ぎた」と苦笑いした。

 山崎は思い出のレースについて「2度の賞金王。それから初めてSGを獲ったダービーの優勝」と振り返った。突然の引退発表に群馬支部の後輩である秋山直之は「一番うらやましい辞め方じゃないですか。最後までスーパースターだった」と、しみじみ語った。

 ◇山崎 智也(やまざき・ともや)1974年(昭49)3月11日生まれ、群馬県出身の48歳。群馬支部71期生として92年11月、桐生でデビュー。94年11月、平和島で初優勝。グランプリを制した2012年と同15年に最優秀選手獲得。通算成績6388走1着1968回。310優出93V(うちG1が110優出31V、SGは39優出11V)。生涯獲得賞金は25億9690万2205円。妻は元選手の奏恵さん。娘は山崎小葉音。同期に馬袋義則、岩崎芳美、海野ゆかり、深川真二ら。1メートル64、55キロ。血液型A。

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