「3歳ダート3冠創設」への期待と現実
2022年07月01日 05:00
競馬
地方側の整備の舞台となったのが大井。地方唯一の国際G1「東京大賞典」を開催し、コースの広さ、集客ともに地方トップに君臨する。現NAR理事長が直近まで大井競馬のトップを務めていたことを考えれば一気に話が進んだことに納得がいく。
日本競馬という大きなくくりで俯瞰(ふかん)して見れば「強い馬づくり」の下、馬主と生産者にとって路線が広がることは間違いなく発展につながるだろう。さらにファンにとっても新たな視点での楽しみ方が増えるのは望むところだ。
その一方で関係者の一部にはハレーションが起こっているのも事実。中央交流重賞の成績を見れば中央馬優勢は明らか。この改革で南関東にも素質の高い馬が集まるようになればいいが、賞金体系の違いから簡単ではないだろう。ましてや現状を知っているだけに「強い馬が出てくることを期待する」なんて言葉で軽々しくまとめられない。
「南関のダービーがなくなった」
図らずも南関東所属騎手が言ったその一言が重く響く。記者が提案したいのはかつて中央で「残念ダービー」と言われたレースがあったが、そんな重賞を東京ダービーの後に大井以外の南関3場に創設する、ということ。それが現実的な処方箋だと思う。