【浜名湖・SGメモリアル】片岡 涙のSG初制覇 デビューから14年9カ月 2艇Fの“乱戦”制した
2022年08月29日 05:30
ボートレース
「(優勝の可能性は)少ないと思っていたけど、風が吹いた時に“何かあるかもな”と思いました。向かい風の時の景色を思い出しながら、早くならないようにしっかり。バックに出てから3、4(の赤ランプ)が点灯しているのを見て1着やと思って。山口さんが隣にいたのでしっかり2Mを回ろうと」
準優勝戦の2Mでは菊地の差し返しを許したが、優勝戦は逆転を許さず。“神風”を味方につけ、ニューヒーローが誕生した。
無観客の表彰セレモニーでは「師匠(秋山広一)と出会った時のことを思い出したら泣けてきました」と感涙。元自衛隊員の経歴を持つ異色のレーサー。三重県の陸上自衛隊明野駐屯地でヘリコプターの整備をしていた。ボートレース津の存在からボート界に興味を持ち、勝負の世界に飛び込んだ。「自分自身で頑張ったらどこまでもいけるんだなあと憧れました。師匠からは早く強くなって、早く稼げと言われていました」。道を示してくれた師匠に感謝しきり。優勝を誰に伝えたいかとの問いに、「師匠っすね」と答えた。晩夏のメモリアルで夢をかなえた。
獲得賞金ランキングは40位から3位にジャンプアップ。これまで経験したことのない大舞台が視野に入った。「見たことのない景色を見ることができると思います。イメージしながら前に進んでいきたい」。令和のボートレース界に、“土佐のいごっそう”が維新の風を吹かせる。
▼優勝戦VTR センターから捲りにかかった新田が先頭に立つもフライングで失格。冷静に他の5艇を差した6コースの片岡雅裕が伸びて道中菊地と競るも、内有利に2Mを先取り、SG初優勝を飾った。菊地は2Mで山口に内を突かれてしまい3着に終わった。
◇片岡 雅裕(かたおか・まさひろ)1986年(昭61)2月11日生まれ、高知県出身の36歳。07年11月に香川支部の101期生としてまるがめでデビュー。10年3月にまるがめで初優勝。通算28VでSGは3優出で初優勝。1メートル55、52キロ。同期は篠崎仁志、守屋美穂ら。