【菊花賞】アスクビクターモア 折り合って本番!Wコース単走ラスト11秒7
2022年10月20日 05:30
競馬
春までは前向き過ぎる気性が課題だった。レースで制御に苦しんだこともある。田村師も以前「時計は出そうと思えば、いくらでも出せる」と語ったことがある。稽古で燃えすぎないよう、必要以上の負荷をかけないよう、単走追いにこだわって稽古を積んだ。皐月賞の最終追いが5F65秒3~1F11秒2。ダービーが同65秒5~11秒3。タイムだけを比較すれば、春2冠よりも控えめ。しかし見た目の動きは今の方が滑らかだ。その差は馬が折り合いを覚えた証。3000メートルを走り切る菊花賞で最も重要な要素でもある。
「レースで掛かっていた頃から中長距離向きと信じていた。父のディープインパクトのように脚をためてズドンのタイプではない。千六や千八に行けば楽かなとも思ったが、それでは長所をつぶしてしまう。自分の勘を信じ、短いところには行かないと決めた。とにかく折り合い重視で、馬に“この距離で我慢するんだ”と教えてきた。思っていた通りに成長してくれた」。田村師はデビューからの1年半を熱を込めて振り返った。愛馬への信頼と調教師としての矜持(きょうじ)を胸に…。結実のラスト1冠に臨む。