転身後も変わらぬ“真面目さ”田中博師の初G1制覇期待
2023年02月17日 05:00
競馬
「そのエリザベス女王杯を勝ったのがヒロでした」
“ヒロ”とは田中博康騎手のこと。クィーンスプマンテで逃げ切り、大穴をあけたあのレースにデルザングル師も参戦していたのだ。
「フランスに来てスプマンテが名刺代わりになるとは思いませんでした」。そう語った田中博康騎手は、その後、当初の予定を大幅に上回り、約9カ月にわたって現地に滞在。競馬に乗るのは容易ではなかったが、1鞍でも多くの騎乗機会を得られるように毎朝、真面目に調教をつけ続けた。先に記した滞在先の寮はシングルベッドとシャワーにトイレがあるくらいの質素な部屋。そんな環境でも泣き言ひとつ言わず、長期に渡って頑張ったのだ。
そんな真面目な姿勢は調教師に転身してからも変わらない。今年はレモンポップで根岸S(G3)を優勝。開業6年目で念願の重賞初制覇を飾ってみせると、今週末は同馬とフェブラリーSに挑戦する。真面目な頑張り屋が一気に初G1制覇を達成できるのか。応援したい。 (フリーライター)