【フェブラリーS】レモンポップ 残り200メートルで一気!馬体理想型で疲れもなし
2023年02月18日 05:25
競馬
レモンはというと、出負けした上に5番手まで挽回するために早々に脚を使って万事休す…。かと思われたが、失速する他の先行馬を尻目に直線半ばまで馬なり。最後はさすがに苦しくなったが流れが向いた差し馬が迫ると、もうひと踏ん張り。2着以下とは半馬身差では計り知れない実力差があった。勝ち時計も良馬場の根岸Sで歴代最速。まともな流れならどれだけ突き放したのか…。
今回は何が何でもの逃げ馬が不在。距離不安がある馬も多く、序盤からせかしていける陣営は多くない。カフェファラオが先行抜け出しの正攻法で完勝した近2年に近いミドルペースが濃厚。「操縦性が高く、レースセンスが抜群」(田中博師)なレモンが自然と確保する先団がベストポジションとなる公算大だ。あれだけの不利をはねのけたのだから、別図の通りによどみない展開が濃厚な今回は逆らう余地なし。
不世出の怪物馬体。群を抜いた筋肉量を柔軟な背中が支える理想型。記者はデビュー以来、見かけるたびによだれを垂らして写真や動画を撮ってきた自称ストーカー。だからこそ、2走前の武蔵野S敗戦がフラッシュバックする皆さんの気持ちは重々分かる。正式な出走表明の直後、田中博師に質問をぶつけた。“武蔵野S同様に間隔が詰まり、距離も延長となりますが…”。回答は明快。「今回は中2週。それにマイルでも極端にパフォーマンスが落ちるわけではないですから」
中1週だった武蔵野Sより1週間長い調整期間。激走の疲れを癒やすこの7日間が何より大きい。ゴール寸前で差された姿から距離不安が必要以上にあおられているが、マイルも2戦1勝、2着1回。マイルでの勝利経験がある根岸S勝ち馬が同年のフェブラリーSに出走した場合は直近3連勝中(16年モーニン、18年ノンコノユメ、20年モズアスコット)。あらを探しても完全無欠のデータが返ってきた。
「種牡馬になるべき馬。戦績に傷をつけるわけにはいかない」と常々話す指揮官の起用を信頼。2代母ハルピアは名種牡馬デインヒルの全妹。米国で生まれた世界的良血馬にとって、国内のG1は通過点に過ぎない。もし、なめられるようならATMに駆け込む準備はできている。そこは展開次第で。