忘れていた8年前の記憶を呼び覚ます不気味な落ち着き。グラニットのキャンターを見届けた大和田師が不敵な笑みを浮かべながら競馬の格言を口にした。「人気薄の逃げ馬は忘れた頃にやってくるかもしれませんよ。ミナレットみたいに…」。15年ヴィクトリアマイルを最低18番人気で3着に逃げ粘り、G1史上最高配当(3連単2070万5810円)を演出した希代の穴馬と厩舎も同じなら馬主も同じミルファーム。「グラニットもやることは一つ。行くつもりです」と続けた。
昨年のサウジアラビアRCでは9頭立て7番人気で逃げ粘って2着。その後の2戦(朝日杯FS10着、京成杯8着)は大敗を重ねたが、「京成杯後のリフレッシュ放牧の効果で前走(スプリングS4着)は気持ち良く走れた。今回も短期放牧でリラックスしているし、粘り強さを発揮すれば…」と同師。人気薄の逃げ馬は忘れた頃にやってくる。