【競輪記者コラム】牧田悠生 いじめと5度の養成所試験を乗り越えた不屈の男
2023年08月03日 10:16
競輪
競輪との出合いは引きこもっていた時。「競輪ファンだった父に弥彦記念に連れて行ってもらいました。その時に見た浅井(康太)さんを見て選手を目指しました」。競輪が心を震わせ支えてくれる存在となった。ただ、選手への道は甘くなく、養成所試験は4度不合格。諦めようと思った時もあったが、「父も母も目指したいなら回数制限までやればいいということで、背中を押されて続けました」。迎えた5回目の試験、やっとの思いで選手への重い扉をこじ開けた。
夢だった競輪選手人生は苦悩と苦労、そして努力に比例し最高のスタートを切った。「選手としての目標はタイトル戦線で活躍できる選手になること。ただ、先々だけでなく目の前の一走一走を1着で買ってくれているファンの方々のために、どんなレースでも1着を目指して全力で走れる選手になりたい」。不撓不屈の男の逆襲は、まだ始まったばかりだ。
◇渡辺 雄人(わたなべ・ゆうと)1995年(平7)6月10日生まれ、東京都出身の28歳。法大卒。18年4月入社、20年1月からレース部・競輪担当。昨年は中央競馬との二刀流に挑戦。今年から再び競輪一本に。愛犬の名前は「ジャン」。