凱旋門賞でスルーセブンシーズ大善戦 “日本馬に合わない”は安易
2023年10月06日 05:15
競馬
武豊騎手は「地盤が軟らかいので、雨が降ると渋くなるけど、意外と芝丈も短いし、通常は皆が思っているほど重くありません」。
事実、同じ競馬場のムーランドロンシャン賞(G1)ではローエングリンが2着(03年)、(直線のため)コースこそ違えど、やはり同じ競馬場の同じ芝で争われるアベイドロンシャン賞(G1)ではアグネスワールドが優勝(99年)。
では、凱旋門賞で苦戦する理由が重い芝ではないとすると、何なのか?個人的には2400メートル戦における欧州勢の強さだと思っている。昨年、一昨年と、凱旋門賞で惨敗した日本馬に「馬場が合わない」という評論が向けられたが、同じ日、同じ馬場で行われたフォレ賞でエントシャイデンが2年連続3着。“日本馬に合わない”で片付けるのは、あまりに安易だと思えた。
そういう見解からすると、スルーセブンシーズは大善戦であり、今後がますます楽しみになったと言える。
ちなみに2400メートルでなければ、同じフランスのジャックルマロワ賞(G1、1600メートル)をタイキシャトルが勝ち、モーリスドゲスト賞(G1、1300メートル)をシーキングザパールが勝利。今週末、行われる毎日王冠(G2)を15年に勝ったエイシンヒカリは、翌16年、フランスのイスパーン賞(G1、1800メートル)で2着に10馬身差をつけて圧勝した。今年の毎日王冠も、将来、世界に通用する中距離王が誕生するかもしれない。注目しよう。 (フリーライター)