【ボートレース若松開設71周年記念G1 全日本覇者決定戦】新開航 もしG1を獲っても、それは必然

2023年10月31日 10:00

ボートレース

【ボートレース若松開設71周年記念G1 全日本覇者決定戦】新開航 もしG1を獲っても、それは必然
いつ記念を獲っても不思議ではない新開航 Photo By スポニチ
 突如として、全国区へと駆け上がった。2020年からはA1の看板を背負って走る新開。最初の2年間はまだはじけ切れなかった。優勝も各年1回ずつ。つぼみはつぼみのままだった。2022年にここまで咲き誇ると思った人は恐ろしい“ボート眼”の持ち主だ。これまで通算4Vだった男が、1年間で一気に10個の優勝を積み重ねた。グランプリシリーズではSGも体感。無限のワクワク感をもって2023年を迎えた。
 「今年?ボチボチです。フライングが良くなかったですね。リズムが崩れてしまったし、そこから立て直すことが難しかったです」

 奥歯に異物が挟まったように今年を振り返る。11優出で4Vなら決して悪くない。それでいてこのコメント。成績を眺めていると、奥歯にある異物の意味が分かる。2つあるFの文字が微妙に新開の歩みをせき止めたのだ。SGクラシック2節前の大村でF。ヤングダービー直前の三国G1でもFを切った。重要な大会の前にやっちまったな~のスタート事故。それでもヤングダービーが準優1号艇とは、ただ者ではない。

 幸い、地元周年ではFの表記は消える。休みは残っていても気分は違うもの。リセット、リフレッシュ、リスタート。優出すれば、年末のグランプリシリーズ出場も見える。モチベーションが高い地元G1だ。

 「フランイグも消えているので、頑張りたいです。地元の記念なのでいつもより強い気持ちで行きます。地元で活躍したいし、盛り上げたいですね」

 闘志を前面に出すタイプではない。はみ出んばかりに体内に鎮め込み、レースで一気に解き放つ。舞台は若松。目を閉じても走れるぐらいの感覚はあるし、調整やスタートもお手のもの。「一般戦ばかりですが、エンジンはよく出せていると思います」と調整には手応えを感じている。実際にお盆レースでは、道中の5連勝もあって、予選をトップで通過して見せた。

 新、開、航。見事なまでに前向きな漢字で構成されている。その名前のごとく年末へ向けて、ひたすら前を向くのみ。G1、SGで結果を出さなければ、全国区とはとても言えない。欠点が少ない好バランスのレーサー。今ならG1タイトルホルダーになったとしても、突然ではなく必然だ。

 ◇新開 航(しんかい・わたる)1996年(平8)3月19日生まれ、福岡県出身の27歳。2016年5月に118期生として芦屋でデビューし、4走目に初1着。2017年8月の浜名湖で初優出。2018年1月の芦屋で初優勝。今年9月の下関ヤングダービーでG1初優出。G1Vはまだない。1メートル65、血液型A。

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