【ボートレース若松開設71周年記念G1 全日本覇者決定戦】新開航 もしG1を獲っても、それは必然
2023年10月31日 10:00
ボートレース
奥歯に異物が挟まったように今年を振り返る。11優出で4Vなら決して悪くない。それでいてこのコメント。成績を眺めていると、奥歯にある異物の意味が分かる。2つあるFの文字が微妙に新開の歩みをせき止めたのだ。SGクラシック2節前の大村でF。ヤングダービー直前の三国G1でもFを切った。重要な大会の前にやっちまったな~のスタート事故。それでもヤングダービーが準優1号艇とは、ただ者ではない。
幸い、地元周年ではFの表記は消える。休みは残っていても気分は違うもの。リセット、リフレッシュ、リスタート。優出すれば、年末のグランプリシリーズ出場も見える。モチベーションが高い地元G1だ。
「フランイグも消えているので、頑張りたいです。地元の記念なのでいつもより強い気持ちで行きます。地元で活躍したいし、盛り上げたいですね」
闘志を前面に出すタイプではない。はみ出んばかりに体内に鎮め込み、レースで一気に解き放つ。舞台は若松。目を閉じても走れるぐらいの感覚はあるし、調整やスタートもお手のもの。「一般戦ばかりですが、エンジンはよく出せていると思います」と調整には手応えを感じている。実際にお盆レースでは、道中の5連勝もあって、予選をトップで通過して見せた。
新、開、航。見事なまでに前向きな漢字で構成されている。その名前のごとく年末へ向けて、ひたすら前を向くのみ。G1、SGで結果を出さなければ、全国区とはとても言えない。欠点が少ない好バランスのレーサー。今ならG1タイトルホルダーになったとしても、突然ではなく必然だ。
◇新開 航(しんかい・わたる)1996年(平8)3月19日生まれ、福岡県出身の27歳。2016年5月に118期生として芦屋でデビューし、4走目に初1着。2017年8月の浜名湖で初優出。2018年1月の芦屋で初優勝。今年9月の下関ヤングダービーでG1初優出。G1Vはまだない。1メートル65、血液型A。