新3歳ダート3冠路線での地方馬奮起に期待
2024年01月17日 14:40
競馬
古馬や3歳短距離部門も含めた新ダート体系への期待は各所に及んでいて、昨夏のセレクトセールではダート血統の種牡馬の子も活発に高額で取引された。ダート種牡馬の総大将ともいうべきシニスターミニスターが在籍するアロースタッド(北海道新ひだか町)では昨年、テーオーケインズ、カフェファラオに加え、サウジカップを制した快速馬パンサラッサなど、砂適性が高い馬が次々とスタッドインした。馬産地では先行して、新ダート体系への期待が高まっている。
ここからは僕の願望。できることなら、交流ダートグレード重賞はJRA馬だけでなく、地方馬も負けずに活躍できれば…と思う。3歳ダート3冠競走のJRA出走馬の枠が特に序盤で制限されているのは「地方在籍馬も頑張ってほしい」との熱いメッセージにも受け取れる。昨年暮れの東京大賞典当日の大井競馬場は大変な盛況だった。携帯のLINEはつながりにくく、パドックは鈴なり。ワゴンカーも多数出店していた場内の飲食店はどこも長蛇の列。東京大賞典1レースの売り上げ約82億円は地方競馬1レースの売り上げレコード。大井生え抜きの南関東3冠馬ミックファイアの参戦が大きかったのは言うまでもない。
現3歳も地方馬にはタレント多数。無傷5連勝で昨年10月のハイセイコー記念を圧勝したダテノショウグン(牡=大井・森下淳)。同じく無傷5連勝で南部駒賞(盛岡)を制したフジユージーン(牡=岩手・瀬戸幸)は岩手から久々に出た逸材で大物感が漂っている。
本日17日、船橋ではダート3冠前哨戦の「ブルーバードカップ」が行われる。昨年まで南関東の準重賞だったのが、ダートグレード重賞に格上げされた。JRA馬3頭の枠は埋まり、道営や佐賀からもはるばる参戦があって厳選9頭。馬券は外れてもいいから、熱いレースが見られればいいなあ…と思うのが率直な思い。美浦トレセンの宿舎でテレビにくぎ付けになります。
◇小田 哲也(おだ・てつや)1967年(昭42)生まれ、埼玉県出身の56歳。スポニチに92年入社。校閲部、仙台支局、現レース部では競輪、ボートも過去に担当。競馬担当27年目。趣味は旅打ち。好きな地方競馬場は水沢、盛岡、浦和。グリーンチャンネル「中央競馬全レース中継」のパドック解説を担当中。