【川口オート 全日本選抜】金子大輔が9年ぶり3度目のSG制覇 「いつもあの2人じゃ面白くない」
2024年02月25日 18:50
オート
期するものがあった。「いつも青山、圭一郎に勝たれてきた。同じ選手として思うところがあった」。気が付けば、自分も40歳を超えている。選手のピークはいつまでだろうか。そう考えた時、自分のできることを精いっぱいやると決めた。
休日はひたすら走った。減量にも努めた。今大会前も2キロ絞った。「やれることをやったらスタートラインで緊張しなくなった」。優勝戦前の出場選手紹介式で、ふと思った。「あと何回、この場に立てるのかな」。自分を過信せず、やれることをやって、結果を待つ。心身を極限まで整えた末にVがあった。
レース中も冷静さを保とうと努めた。焦らないよう、ビジョンからあえて視線を外した。だが、つい見てしまうのが金子らしいところ。「残り7周というのを見ちゃって…。まだそんなにあったか、って…」。それでも焦らなかった。滑らないことだけ気をつけて、残る周回をエンジョイした。
「たまには報われることもありますね。満点のレースでした」。ファンの前での優勝インタビューで改めて強調した。「青山、鈴木圭選手だけじゃオートレースはつまらなくなってしまう。誰が勝つのか分からないオートレースにしたいんです」。金子の意地がたっぷりと詰まった言葉だった。
これで年末のSS王座決定戦トライアル戦の出場権を獲得。「年末の切符が獲れたことは大きい。最近、川口は相性がいいし、移籍しようかな」。最後はいつもの軽口で締めた金子。その目は自信に満ちあふれていた。