谷 ついに「ママでも金」実現の日が来た!!
2008年08月09日 06:00
五輪
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いつも笑顔の絶えないYAWARAの表情から笑顔が消え、勝負師のそれに変わった。この日の午前9時、練習場があるホテルに到着した柔道日本代表。専用道場に向かう13人の男女代表選手の列に谷は加わらず、うつむき加減に別通路へ。関係者が用意した車に乗り込むと、そのまま北京市内に姿を消した。
向かった先は、所属先のトヨタ自動車などが用意した谷専用道場。そこでは、練習パートナー6人が待機し、午前9時30分から11時40分すぎまで約2時間、試合前日にもかかわらずハードな稽古を消化したという。前日、北京入りした長男・佳亮ちゃん(2)との対面もなし。個人練習に同行している関係者の1人は「凄い練習量で驚いたが、いつも通り、練習量を落とさずにしっかり食べて、当日を迎えるようだ」と話した。
過去4度の五輪では試合前も気さくに報道陣と談笑してきた。しかし、今回は背負うものが違う。日本女子初の個人種目3連覇。佳亮ちゃん出産後初の五輪、3大会連続となる競技初日の金メダル…。4月の最終選考会で負けながら代表に選ばれたことも、ハートに火をつけた。前夜、単独の最終調整について相談を受けたという全日本柔道連盟の吉村和郎強化委員長も「アイツは納得いくまで練習するから、それ(個人練習)もいい」と信頼を寄せた。
前日まではチーム練習後に、個人練習を2時間以上組み込んだ。前日までの特訓を見守ったという園田隆二階級担当コーチは「びっくりするくらい調子がいい。去年のリオ(世界選手権)より、凄い勝ち方をするんじゃないですか。金1号は間違いないでしょう」と太鼓判を押した。究極仕上げの32歳は、どんな強さを見せるのか。午後0時(日本時間同1時)、世界が注目する女王が、今大会の柔道競技最初の畳に上がる。