小さな旗手・愛ちゃんが堂々と先導!!
2008年08月09日 06:00
五輪
2008年8月8日午後8時(日本時間同9時)。気温33度、曇り空の下、中国で縁起がいいとされる8の数字が並ぶ時間に、開会式は始まった。花火をふんだんに使用した華やかなオープニング。「中国の発明品の1つが火薬であり、その威信をかけた」と視覚特殊効果の総監督を務める蔡国強氏が力説した最新技術を駆使した。
上空を巨大な花火の足跡が歩く。鳥の巣の周辺、屋根から次々と花火が打ち上げられ、最後には大きなメーン会場が燃え上がるように火柱が上がった。フィールド中央に横たわっていた五輪マークが、空中に浮かび上がる。4年に1度の祭典は華やかに始まった。
「中華民族100年の夢」とされる国家的イベントには、孔子の有名な言葉が象徴的に使用された。
有朋自遠方来 不亦楽乎(朋あり遠方より来たる、また楽しからずや)
5000年の歴史を誇り、世界最多の人口13億を擁する大国が世界の人々を朋(とも)として迎える。そんな思いが込められたセレモニーには約1万5000人が出演。映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)氏が総監督を務め、中国の長い歴史を表現するアトラクションが行われた。
全長147メートルの巨大な絵巻がフィールドに置かれ、中国が発祥とされる偉大な発明が紹介されていく。紙、漢字、活版印刷、羅針盤…。万里の長城が現れ、シルクロードが表現された。最新技術と一糸乱れぬ人の動き。幻想的なアトラクションが、観衆を魅了した。
一方で3月のチベット暴動鎮圧や、開幕直前の新疆ウイグル自治区での警官襲撃事件など抱える問題も多い。会場周辺は一般車両の通行が封鎖され、厳戒態勢が敷かれた。五輪期間中は150万人の警備要員を投入する過去にない緊迫感とともに、朋を歓待するイベントが幕を開けた。