“なでしこ文化”発言に思う 東京五輪を成功させるのは巨大競技場ではない
2015年07月14日 13:38
サッカー
![“なでしこ文化”発言に思う 東京五輪を成功させるのは巨大競技場ではない](/soccer/news/2015/07/14/jpeg/G20150714010733960_view.jpg)
「日本でアルペン・スノーボードを知っている人といっても凄く少ない。サッカーや野球、競泳のように誰でも知っているスポーツになるにはまだまだ時間がかかる」。メダルを取っても全く十分ではなかった。一過性の盛り上がりでは叶わない競技の普及・発展や環境整備。そうした願いはマイナー競技の選手であれば誰しもが抱いているものだろう。
今月12日、都内で武術太極拳の全日本選手権が行われていた。9月末にも決定する東京五輪の追加種目候補の1つ。女子太極拳に出場していた桐山夏帆(23=静岡県連盟)に話を聞くと「武術太極拳の知名度が上がる絶好のチャンス」と語り、「若い世代には武術として、年配の方には太極拳として、生涯現役で続けられるスポーツなんです」と競技の魅力をアピールしてくれた。武術太極拳の下馬評は決して高くはないが、それでも東京五輪にはみんな“何か”を期待せずにはいられないのだ。
その何かとは、決して2520億円をかけた巨大な競技場の建設ではない。女子スポーツや冬季競技、五輪で実施されないものまで含めてあらゆるスポーツを、みんなが楽しみ、楽しめるようになること。そんなスポーツ文化が社会に育まれてこそ、東京五輪は成功したと言えるものになる。 (雨宮 圭吾)