U16 準決勝はイラク戦、久保「スタートライン立っただけ」
2016年09月27日 05:30
サッカー
生みの苦しみを味わった。1次リーグ3試合は21得点無失点で勝ち上がった。しかし、この試合はそれまでの決定力が鳴りを潜めた。A代表が15年のアジア杯準々決勝、そして、9月に行われたW杯アジア最終予選初戦でも苦杯をなめさせられたUAE。それでも、“弟分”は苦しみながらもキッチリ結果を出した。森山監督は「苦しい展開になったが、1―0だからこその価値ある勝利」と選手を称えた。
柔らかいタッチのドリブル突破で何度もチャンスをつくった久保に代表されるように、この世代は育成世代の不振脱却の切り札と見込まれている。久保と同様にトップチームで出場できる2種登録を済ませたMF平川(FC東京U―18)ら粒ぞろい。木村技術委員はA代表で活躍した選手の名前を挙げ「久保は中村(横浜)、瀬古は松田(直樹)の再来と思える」と高く評価した。
素材を生かすための取り組みも実った。日本協会は所属先の指導者を定期的に集めて海外遠征での課題を共有。日頃から世界を見据えた指導を呼び掛けた。中田浩二氏ら代表経験者を招き、世界と戦う気構えを植え付けるなど精神面の強化も苦しい展開で生きた。得点した瀬古は「アジア王者になって日本の強さを見せつけたい。W杯でも暴れたい」。次は04年以来、6大会ぶりの優勝を目指す。