札幌してやったりドローV 5年ぶり最多5度目J1返り咲き
2016年11月21日 05:30
サッカー
「勝って喜びを爆発できれば最高だったが、42試合戦って順位が決まるのがリーグ戦。J1昇格という結果をサポーターにプレゼントできて良かった」。四方田監督は7度胴上げされると、満面の笑みを浮かべた。
残留争いの金沢との最終戦。お互い引き分けでOKという試合は消極的な展開に終始した。0―0の終了間際、札幌はもう攻めない。着実にドローで勝ち点1。それもまた、堅守をベースに推し進めてきた四方田サッカーの一つの形で、ようやく壁を突き破った。
11年にJ1昇格も翌12年に降格。チームは深刻な財政難に陥り、大幅な改変を迫られた。13年に元札幌選手の野々村芳和社長が就任し、14年にはJ1昇格の「切り札」としてMF小野、翌15年にMF稲本と元日本代表コンビを迎え入れた。そんな2人がチームのテーマ「一体感」を生んだ。小野はハーフタイムに率先してチームメートに水やタオルを渡し、うちわであおいだ。稲本やDF河合も同様で、3人のベンチ待機は増えてもロッカー室の雰囲気は一変した。献身的なベテラン勢を見て、若手や中堅も成長。そこにジュリーニョら新戦力が融合してチーム力は上がった。
チームは稲本が札幌初ゴールを決めた4月23日のC大阪戦から9年ぶりの6連勝で首位浮上。小野は「あの試合が間違いなく流れを変えた」と言った。そんな稲本が6月4日の千葉戦(札幌ドーム)で右膝前十字じん帯断裂の重傷で離脱。次節からベンチに背番号17のユニホームが掲げられ「イナさんをJ1に」が合言葉になった。苦しんだ終盤を乗り越える原動力が「一体感」。宮沢主将は「一人一人がチームのためにやった結果がここにある」と言った。
種は実った。来季からクラブ最大の目標「J1定着」へ。最終戦の歓喜はそのスタートだった。
◇北海道コンサドーレ札幌 35年創部の東芝堀川町サッカー部が前身。96年に神奈川県から北海道へ移転してJリーグ準会員となり、98年にJリーグに加盟した。コンサドーレは道民を意味する「道産子」の逆さ読みと、ラテン語の響きを持つ「オーレ」を組み合わせた造語。ホームタウンは札幌市を中心とした北海道。野々村芳和社長。本拠地は札幌ドーム。
▼日本ハム・大谷 J1復帰、おめでとうございます。北海道のプロスポーツチーム同士、同じ年に素晴らしいシーズンが送れたことは、とてもうれしく思います。2014年には小野伸二さんと対談させていただきアスリートとして貴重なお話をうかがって刺激になりました。来季も北海道民の一人として、J1での躍進をお祈りしています。
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