森保新監督 W杯見据え世代交代と年代間の融合図る 五輪代表と兼任に「覚悟が必要」

2018年07月27日 05:30

サッカー

森保新監督 W杯見据え世代交代と年代間の融合図る 五輪代表と兼任に「覚悟が必要」
サッカー日本代表の就任会見でナンバーワンポーズをする森保新監督(撮影・近藤 大暉) Photo By スポニチ
 日本サッカー協会は26日、日本代表の新監督に東京五輪男子代表監督の森保一氏(49)が就任することを発表した。五輪監督との兼任は00年シドニー五輪、02年W杯日韓大会を指揮したフィリップ・トルシエ氏(63)以来2人目で、世代交代への覚悟をにじませた。推定年俸は1億3000万円で、22年W杯カタール大会まで見据えた契約。初陣は9月7日、札幌でのチリ代表との親善試合で、当面は五輪代表のスタッフで臨み、体制は今後検討する。 【日本代表日程
 無数のフラッシュを浴びた49歳の指揮官。時に柔和な表情も浮かべたが、胸中には並々ならぬ決意があった。東京五輪代表を指揮する森保新監督は日本人初の兼任の重責を担う。W杯直後から日本人指揮官が就任するのも初。「日本代表の勝利のために世代交代、年代間の融合を図る」と公約を掲げ「2つの代表をやっていくには覚悟が必要」と続けた。

 「トライする段階では痛い思いをすることもあるが、正しいと思うことをやりきりたい」。森保監督に課せられたのは、最難関のミッションだ。W杯で西野ジャパンは16強入りしたが、長年代表をけん引してきた長谷部、本田が代表引退の意向を示すなど4年後に向けて若返りが必要。世代交代、世代間の融合を実現しながら、五輪、W杯とダブルでの好成績を目指す。00年シドニー五輪に出場した若い世代は兼任監督のトルシエ氏の下、2年後のW杯日韓大会で主力となった。広島時代は毎年、主力を引き抜かれながらも3度のJ1優勝に導いた名将にとって、これ以上ない挑戦だ。

 2チーム分のマネジメントには困難が待つ。だが、指揮官は「1人だと不可能だが、日本代表を支えてくださる多くのお力をお借りして不可能が可能に変わり、大きな成果になる」と言う。最初の難題は五輪世代で戦う8月開幕のアジア大会と、日本代表の9月7、11日の親善試合をどうこなすかだ。当面、コーチらは両代表とも同じ顔ぶれ。アジア大会で9月1日の決勝まで進めば休みなく日本代表の初陣を迎える。

 それでも、日本の可能性を感じたからこそ引き受けた。ハリルホジッチ元監督が解任された際にも後任監督候補に浮上。W杯をコーチとして経験し「強く感じたのは日本人のメンタリティーと身体能力を大切にすること。一体感のあるチームづくり。それは絶対にやっていきたい」。新指揮官は「速攻もできれば遅攻もできる。守備でハイプレッシャーをかけられれば、自陣で守備を固めることもしたい。いろんな対応力を持って戦う」と新たな青写真を描いた。

 4年後の22年を見据えた長期政権。かつて「ドーハの悲劇」を味わった主力選手が、指揮官となって“因縁の地”カタールへと向かう。「日本サッカーを支える全ての人の力を貸していただき、結集して世界に打って出られたらと思う」。森保ジャパンの挑戦が、いよいよ始まる。

おすすめテーマ

2018年07月27日のニュース

特集

サッカーのランキング

【楽天】オススメアイテム