鹿島・内田、敗戦に号泣する安部の心情を思い涙「分かるんだよ俺、裕葵の気持ちが」
2018年12月20日 08:42
サッカー
歯が立たない感覚は、自身もドイツ1部シャルケ時代に味わった。「レアルとやって、チェルシーとやって、ビルバオとやって、バレンシオとやって、インテルとやって、その繰り返し」で打ち砕かれてきた経験があった。「自分とダブって涙ぐむなんてことはないと思ったけど。可愛いんだよ後輩は。気持ちが分かる分」。完敗直後。自身の悔しさは胸の内にとどめ、真っ先に後輩の心情を思い、涙した。
レアル・マドリードからもてあそばれるように時間を使われた最終盤。安部は腐らず走り続け、攻めようとした。「今日のあいつの涙が、今後の日本サッカーにとって何かいいきっかけになってほしいなって思う。それだけのポテンシャルを持っていると思う」。内田からエールを送られていたことを知らず、入れ替わるように取材エリアに現れた安部は、「本当に勝ちたくて。でも、プレーしていて苦しすぎて、キツすぎて。(余裕の表情の)相手の顔を見た時に、ちょっと“ああ…”ってなっちゃいましたね。そこから足も重くなって」と振り返った。
心を折られるような展開の中でも、終盤まで激走したのは「僕の名前を呼んでくれているのが聞こえた」というサポーターの声援への感謝と、「2年前テレビで見ていた時の、(鹿島の)みんなが必死になって走っている姿」が脳裏に浮かんだからだったという。「サッカー選手としてどういう道を選択するべきか」、「考え方が少し変わった」と、この試合が転機となったことを明かした。