塩谷 UAEで守備職人に成長 日本代表追加招集から先発で決勝の舞台へ!
2019年01月31日 20:36
サッカー
世間の記憶に新しい、決勝のレアル・マドリード戦でのヘディングゴールも生で見た。「点を取りたいと思う気持ちはあったけど、にしては、できすぎのコースだった」。ゴールの感慨を語ったのは一瞬。ミックスゾーンでは、完敗した悔しさが言葉の端々から伝わってきた。それでもレアルに爪痕を残した日本人がいたことが、同じ日本人として誇らしかった。
帰国の途に就く途中、アブダビの国際空港でふと電子看板が目に留まった。塩谷がメインで、アルアインのチームメートと抱き合っている写真だった。助っ人選手が己の実力で人気を博し、チームの“顔”となっている。おもわず写真に収めた。
日本に一時帰国し、年明けに戻ったUAEで、まさかこの話に続きができるとは思わなかった。
塩谷が広島を離れ、UAEのアルアインに移籍したのが17年の6月。「外国人選手として来ているので、いいプレーをしないと、すぐにいろんなところからいろんなことを言われる。そういうプレッシャーの中でやらなきゃいけないのは、結構鍛えられた」。いるはずの通訳がいない中での奮闘だった。精神がタフになったという。
日本にはいない、異国のFWとの対戦が楽しいとも話していた。「1人で試合を変えてしまえる選手がいろんなチームにいる。特に外国人。それは凄く面白いところ。実際、今年(18年)の初めの試合でモロッコ人にちんちんにやられて、初めて途中で替えられた。皆さんが思っているより、素晴らしい選手がいる」。アルアインに来て、本職のサイドバックからセンターバック、ボランチまで。守備位置なら何でもこなせる守備職人に成長した。
目標も、伸びたという。「正直プロになった時は、30歳までサッカー選手ができると思っていなかった」。その年齢に到達した今は願っている。「40歳までプレーしたいなって思いもある。ここまで大きな怪我なく来ることができたのはラッキー。怪我がない限りはできるだけ長くサッカーしたい」。そう話した13日後、長らく復帰を待ち望んでいた日本代表に、追加招集で声が掛かった。
合流後の活躍は記すまでもない。17日のウズベキスタン戦では、何という巡り合わせか、“地元”のアルアインで、森保ジャパンのデビュー戦で、日本を1次リーグ首位突破に導くミドルシュートを決めた。続くサウジアラビア戦、ベトナム戦では1点差の最終盤の守備を締めるクローザーとして任務を全う。イラン戦では負傷の遠藤に代わる緊急登板を見事に果たした。今、試合後に囲む記者は2、30人に増えている。
2月1日。いよいよ決勝が始まる。会場は、塩谷がレアルからゴールを決めた、首都アブダビのザイード・スポーツシティ・スタジアムで行われる。塩谷はレアルから公式戦で得点を奪った史上2人目の日本人。ダブルボランチを組む柴崎は16年のクラブW杯決勝で奪った史上初の日本人。相棒にも不思議な縁がある。
追加招集から、最後は先発で決勝の舞台へ。「今後、日本代表に残っていくために、凄く大事な試合になる」と話す塩谷が、私には、何かを残す予感がしてならない。(波多野 詩菜)
おすすめテーマ
2019年01月31日のニュース
特集
サッカーのランキング
-
横浜FC 51歳カズ「いつでも90分間ピッチに立つ準備をしている」
-
香川真司 モナコ移籍交渉は破談 トルコ移籍が最有力 独紙が報じる
-
香川真司 ベシクタシュ移籍ならライバルはセルビア代表リャイッチ
-
森岡がシャルルロワ移籍 ベルギーで3クラブ目
-
岡崎、1月中の移籍を断念「あと半年レスターで勝負する」
-
香川真司 トルコ1部ベシクタシュ移籍浮上 地元紙が報じる
-
中田浩二氏が語るカタール攻略法 塩谷よ司令塔をカタづけろ
-
塩谷、遠藤負傷で先発へ 柴崎と“レアル弾コンビ”でWボランチ
-
日本、史上初の先発11人海外組濃厚 “多国籍軍”新時代の扉開く
-
冨安、一丸で完封を「みんなで守らないといけない」
-
酒井、決勝のスタメン濃厚に 精密検査で異常なし
-
森保J、日本食レストランで決起集会「アブダビの夜」で士気高める
-
森保J、決勝へ非公開戦術練習 前夜は準決勝をテレビ観戦
-
カタール、8得点エース初アジア王者へ自信アリ 22歳FWがダエイに並んだ
-
カタールVSUAE 国交断絶で厳戒態勢 ピッチには怒りの跡
-
UAEザック監督退任へ「敗戦の責任は私にある」
-
シャビ「カタールがV」大会前勝ち上がり予想ここまでほぼ的中
-
ドルトムント香川モナコ移籍急浮上 フランス1部8度制覇の名門
-
中島カタール1部へ移籍 クラブ関係者「既に契約書にサイン」
-
森岡ベルギー1部シャルルロワ移籍決定的 新天地で巻き返しへ
-
関東2部エスペランサSC 元コロンビアU20代表DFを獲得