西野朗氏 スペイン国王杯バルセロナ分析 前半と後半で戦術変更「監督と選手の間に高い信頼関係がある」
2019年02月28日 22:26
サッカー
第1戦はバルセロナがホームで1―1。第2戦はアウェーで3―0大勝という結果に「ああいう大差になるとは予想していなかった」と振り返った西野氏。0―0で折り返した前半について「バルサは点は取れなくてもいいけど、とにかく取られない戦い方だった。メッシも前半は存在感があまりなかったし、ラキティッチもポジションが低かった。守備的な要素が強かった」と印象を語った。
前半に相手の決定機をしのいで0―0で迎えた後半に「スイッチを変えたのはバルサだった。ラキティッチも前半とは違って高めでプレーし、デンベレも最終ラインの背後を突くようなスプリントも増えた。積極的に点を取るモードになった」。後半5分、左サイドを突破したデンベレの折り返しからFWスアレスが先制点を決めた。
スアレスは後半24分にデンベレの右クロスにつめて相手オウンゴールを誘い、同28分には倒されて得たPKを浮き球(パネンカ)で決めてダメ押し。西野氏は「両チームがお互い両サイドを攻略しながらクロスを上げてチャンスはつくった。そのポイントにいたのはスアレスであって、ベンゼマ(Rマドリード)はいなかった。その差はあった」と両センターフォワードの出来がこの試合の明暗を分けたと分析。スアレスは直前の23日セビリア戦で公式戦6試合ぶりの得点を決めており「3点目のPKを蹴らせたのもスアレスの調子を上げたいという機運がバルサにあったと思う。スアレスはやはりストライカー。ポストプレーでロストも多かったが、体がゴール方向に向いた時の強さ、決定力はやはりある」と印象を語った。
西野氏が高く評価したのはバルベルデ監督の戦術をチームが実行する力。「監督と選手の間に高い信頼関係があると思う。同じメンバーで入った後半に、攻撃的な戦術変更を選手達がよく実践できていた。当然メッシが注目されるが、特に前半はデンベレを使いながら左サイドで組み立てて、そこからメッシら右サイドにサイドチェンジして突破を狙うような戦術も、選手が理解してしっかり実践しているように見えた」と分析した。