93年5月15日、日本サッカーの夜明け 一つの「文化」目指した長い旅が始まった
2020年05月15日 05:30
サッカー
熱狂するサポーター。
きらびやかなライトを浴びて躍動する選手。
日本中にJリーグの話題があふれ
一躍時代の最先端に立った。
次々にスターが生まれた。
V川崎の三浦知良、武田修宏、ラモス瑠偉
横浜Mの井原正巳、木村和司…。
日本リーグからJリーグに舞台が変わり
選手は別人のように輝いた。
ディアス、ジーコ、リネカー、リトバルスキーら
世界の名手たちも参戦して注目を集めた。
開幕戦前のセレモニー。
川淵三郎チェアマンは
「スポーツを愛する多くのファンの皆さまに
支えられまして…」とあいさつした。
「サッカー」ではなかった。
クラブ名から企業名を外し
地域密着を前面に出した。
斬新なグッズも飛ぶように売れた。
目指したのは、文化だった。
注目されて選手も大きく成長した。
勝利へのひたむきさが見る人の心をつかんだ。
Jリーグが日本代表を支え
W杯への道を切り開いた。
原点は93年5月15日の国立競技場だった。
≪横浜M 歴史的1勝≫Jリーグ開幕戦は国立競技場に5万9626人の観衆を集めた。試合は前半19分、V川崎のマイヤーが先制弾。しかし、後半3分に横浜Mのエバートンが同点ゴールを挙げ、続く14分に元アルゼンチン代表のディアスが決めて横浜Mの逆転勝利となった。清水監督は試合後「Jリーグは素晴らしい。この1勝は後で大きな意味を持つはずだよ」と話した。スタンドにはペレ氏の姿もあった。NHK総合で全国に生中継された試合は、セレモニーに1億2000万円の費用がかかっていた。