五輪サッカー・南ア選手らコロナ感染、日本初戦22日の相手 選手村で初“最も安全な場所”のはずが…
2021年07月19日 05:30
サッカー
18日に陽性が判明したのは南アフリカのDFジェームズ・モニャンとMFカモヘロ・マーラツィで、発熱の症状があるという。東京五輪・パラリンピック組織委員会は当初、個人情報保護の観点から陽性者の国や年齢、性別、競技などは非公表だったが、同国オリンピック委員会の発表を受けて認めた。選手村で初めて陽性反応が出たと17日に公表されていた関係者1人も同国代表の映像分析スタッフだったことが明らかになり、チームが同日に予定していた来日初練習は中止になった。
陽性者は選手村外のホテルで隔離され、濃厚接触者の疑いがあるチームメートやスタッフは全員が自室待機を強いられている。コロナ禍で今大会のサッカーは各チームの選手登録数が18人から22人に拡大。しかし、21人で準備していた南アフリカは当初の発表から主力を含む5人が医療上の理由でメンバーを外れ、追加招集は3人にとどまった。登録19人の少数で臨む上に今回の陽性判定で打撃は計り知れない。感染が拡大すれば試合実施に必要な13人の選手登録を割り込む可能性さえあり、クリアできても戦力減は確実。1次リーグ初戦で対戦する日本には追い風となるかもしれないが、外部との接触が遮断されたバブル内でクラスターが発生すれば、他国や他競技も含めて笑いごとではない。デービッド・ノトアネ監督は南アフリカのメディアに「コロナが大会に与える影響は本当に恐ろしい」と打ち明けたという。
この日は選手村の2選手を含む海外からの大会関係者10人の陽性も新たに公表された。事前合宿で来日した選手らを除く大会関連の陽性者は2日続けて2桁を記録し、1日以降で計55人となった。組織委の中村英正大会開催統括は「陽性者が出ることは避けられないが、それ以上広げないことが大事。事態対応を含めて選手の安全安心は確保できている」と話したが、今後入村のピークを迎える選手村が「外部から隔離された最も安全な場所」とはとても言えない状況であることは確かだ。
▽プレーブックの出場規定 大会期間中に陽性結果が確認された場合は「継続した隔離または入院が求められる。大会には出場できない」。濃厚接触者の認定は保健当局が判断し、競技に参加するには「検査結果が連日陰性」「専門家の判断や国際競技団体の同意」が必要とされる。明記されていないが、政府と組織委は試合6時間前の検査で陰性なら出場を認める方向。