【歴代担当記者が見たオシムさん】選手の成長を楽しみに見守るオヤジの面も

2022年05月03日 05:30

サッカー

【歴代担当記者が見たオシムさん】選手の成長を楽しみに見守るオヤジの面も
05年11月、ナビスコ杯を制し、胴上げしようとする選手たちに困り顔の千葉のオシム監督 Photo By スポニチ
 【イビチャ・オシム氏を悼む 】 05年ナビスコ杯でジェフに初タイトルをもたらしたオシムさんは、かたくなに胴上げを拒否した。「私が重くて選手がケガをするといけないからね」と話したが、まだリーグ戦も天皇杯も残っているよとの意思表示でもあったと思う。
 主力の移籍がオフの恒例行事だったが、「できるかどうかではない。いいプレーができるのを待っていたら下(J2)に落ちてしまう」と細かいルールでのボール回し、8色ビブスや複数ポジションでのゲーム、シュート練習は必ずDF付きなどアイデア満載のメニューで若い選手を鍛え上げた。「人間は疲れている中でミスをする」と意図的にハードメニューを組み、万全でない状態での能力も見極めようとしていた。

 眼光鋭い勝負師だったが、敗戦後には「敗れたことは残念だが、悲観することはない。今後どうなるか見守っていきましょう」と語ることも多く選手の成長を楽しみにするオヤジの面もあった。師の教えは阿部や巻らチルドレンたちが継承していってくれるはずだ。(05年千葉担当・八田 朝尊)

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