日本代表GK権田が守る アメフト河口氏の教え 大きな一歩生む「仙腸関節トレーニング」
2022年06月22日 05:45
サッカー
河口氏は「世界に通用する日本人アスリートを育成したい」という思いから、15年8月に同ジムを設立。自らの経験を基に独特なトレーニング法を編み出し、今やプロ野球や陸上界のトップ選手も師事している。
その独特なトレーニングこそが、権田の進化の秘訣(ひけつ)でもある「仙腸関節トレーニング」だ。仙腸関節とは、骨盤の仙骨と腸骨をつなぐ体の中で最も強いとされる関節。ミリ単位でしか動かない繊細な部位だが、可動域を広げて周辺の筋肉を使えるようになれば、体幹から最大限の力を発揮できるようになるという。
河口氏によれば、日本人は元々、生活様式の影響もあり仙腸関節を使えていないという。最大の狙いは、同関節を自然と使いこなす欧米人らに負けないパワーを創出すること。GKで例えるなら、長身でパワーと俊敏性も兼ね備える選手の育成だ。世界基準のGKを目指す権田にとっても、願ったりかなったりのトレーニングだった。
権田はジム創設時から河口氏に師事。試行錯誤を繰り返し、“二人三脚”で歩んできた。進化を示す明確なデータこそないが、河口氏は今と5年前の映像を比べ、動きが見違えるように良くなったと強調する。当初は「膝から」だった動き出しが、トレーニングで骨盤の動かし方が飛躍的に進化し「動き出しが速くなり、一歩が大きくなった。無駄な動きもなくなった」と語る。
ジム設立から約7年。「そんな細かいところを手に入れるために、ここまで頑張るのか」と河口氏。権田はその進化を証明するかのように、W杯最終予選で日本史上最多の5戦連続完封を記録するなど活躍した。権田自身も「河口さんがいなかったら今の自分はいない」という。14年W杯はメンバー入りも出場なし。W杯初出場へ、カタール大会は積み上げてきたものを発揮する晴れ舞台となる。
≪完全マンツーマン指導受けられる≫「JPEC SHIROKANE」は、完全マンツーマン指導のパーソナルトレーニングが行え、早朝、深夜にも対応。「ビューティー」「ボディーメーク」「パフォーマンスアップ」「リカバリー」とプログラムも豊富で、90分間の体験トレーニングも実施。仙腸関節、肩甲骨を柔軟に動かすため、河口氏が提唱する「クワトロコア」と呼ばれる体幹部を4つの部位に分けたトレーニングが売りとなっている。
◇権田 修一(ごんだ・しゅういち)1989年(平元)3月3日生まれ、東京都世田谷区出身の33歳。FC東京の下部組織出身で、同クラブで09年J1デビュー。16年には本田圭佑が経営参画していたオーストリアのホルンに期限付き移籍し、17年に鳥栖、19年にポルトガル1部ポルティモネンセに完全移籍。21年に清水に加入。代表は各年代で選出され、U―23で12年ロンドン五輪に出場。A代表は10年1月のイエメン戦でデビューし、14年W杯ブラジル大会のメンバー。国際Aマッチは32試合出場。1メートル87、83キロ。利き足は右。
◇河口 正史(かわぐち・まさふみ)1973年(昭48)2月19日生まれ、兵庫県川西市出身の49歳。カリフォルニア州のサンクリメンテ高でアメフトを始め、帰国後に進学した立命大では94年に同大初の学生日本一に貢献。日本代表にも選出され、卒業後はアサヒビールに入社し並行してNFLヨーロッパに参戦。02、03年にはNFLの49ersのキャンプに参加し、「NFLに最も近づいた」と言われた。08年の引退後は、独自のトレーニングメソッドを世の中に普及すべくトレーナーとして活躍。
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