ラグビーの聖地・花園で55歳カズは太陽だった
2022年06月22日 07:00
サッカー
そんな中、ひときわオーラを発したのはやはり鈴鹿のFW三浦知良。カズが動けば皆動く。一体何枚、記念写真を撮っていただろう。あいにくケガの影響で先月15日の試合を最後にベンチ外が続き、試合中はスタンドや関係者ブースから声をからす。身ぶり手ぶりを交え大声で鼓舞し、時には腕を組んで静かに戦況を見守る。それがここ数試合のルーティンとなっている。
今回の花園ではさらに“密”なシーンにも遭遇した。試合開始直前、選手入場に備えてレフェリーや先発メンバーが続々と通路に現れるタイミングで、カズはロッカーから出てくるスタメン一人一人と熱いハグ。11人が列をなした後も、それぞれの耳元で助言や激励のメッセージを細かく伝え、ピッチへ送り出した。最後列の選手が芝を踏むまで一人、大きな拍手で鼓舞。ケガで腐るどころか、自らの役割を理解し、共に戦う姿勢を示した。天皇杯1回戦、勝てば次戦をカズのかつての本拠地で戦える状況で「カズさんを三ツ沢に連れて行こう」と橋本晃司主将が仲間の尻を叩いたのもうなずける。
かつて花園を沸かせた大畑氏も今回、カズに感銘を受けた一人。「現役選手の中にもカズさんに憧れる方は数多くいる。カズさんはずっと太陽であってほしい」。実はこの「太陽」という表現には伏線があった。
この日、花園の空は午前中からどんよりとした雲に覆われていた。しかし正午過ぎ。大畑氏、大西氏らのトークショー開始と時を同じくして空は急に晴れ渡り、そこへカズがサプライズで登場したのだった。この“晴れ男”ぶりに大畑氏は「(カズは)ほんまに太陽やったな…」と目を丸くし「ずっと太陽であってほしい」と笑った。誰もが55歳の放つ輝きを再認識する一日となった。(八木 勇磨)
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