川崎F,敵地福岡戦で16年ぶり勝利 3連覇へ光 マルシーニョ「プロ生活の中で初めて」のハットトリック
2022年08月20日 22:57
サッカー
会場は98年、初開催された一発勝負のJ1昇格決定戦1回戦で鬼木監督らが福岡を相手に「博多の森の悲劇」と呼ばれる死闘を演じ、敗れた地だった。16年6月には引き分けが第1ステージのV逸に直結。2連覇した昨季は8月に初めて黒星を喫し、山根が今も「サポーターの怒号を覚えている」という因縁があった。この場所での白星は06年5月以来、実に16年ぶり。重みの詰まった1勝で3連覇への歩を進めた。
試合直前には選手1人にアクシデントが起き、ベンチが1人少ない6人に。前半終了間際にはエースのレアンドロ・ダミアンが負傷し、担架で退いた。鬼木監督は試合直後の会見で、「まだ見てはいないですけど、いい状態ではないような気がしている。彼があれくらい痛がるのはあまりないこと。腫れは出てきている」と不安の残る状態を明かした。
不測の事態が続いても、タイトルへの執念が川崎Fらしいサッカーを完遂させた。「優勝するためには1試合も落とせない。いろんな言い訳ができる状態でも、それはしないという覚悟が、若い選手も含めて全員でできている」とダミアンに代わった小林は胸を張って首位奪還を見据えた。
横浜との勝ち点差は「5」に縮まった。脇坂は言う。「自分たちは追う立場。積み重ねていくことが一番大事」。下から追われるプレッシャーがいかに重いものか、2連覇した昨季の経験から知っている。背番号14は「それを自分たちがしていく。そして最後は上に立つ。もう落とせないので、1試合1試合大事に戦っていきたい」と力を込めた。