日本代表MF田中碧 肉を食べずに肉体改造 人から愛される選手「レジェンド」になる!
2022年10月16日 04:31
サッカー
「同じことをしても勝てない。何げないところで差を縮めることは、小さい頃から凄く意識していました」
――たとえば?
「僕は体に凄く興味があった人間だったので、普通のことですけど、食事、サプリ、睡眠などのクオリティーを上げようというこだわりが強かった」
――食事のこだわりは。
「グルテンフリーはずっと今もやっている。あとは3年ほど前から(基本的に)肉を食べていない。海外では魚の種類が限られるので食べる回数は増えましたけど、試合の2日前ぐらいからは食べなかったり。いろんなトライをした中でいいなと感じたものを継続し、新しいものも取り入れています」
――体の変化は。
「体重は2、3キロくらい落ちたんですけどパワーが落ちたのは感じなくて、逆に走れるようにもなりました」
――こだわるには知識が必要ですね。
「そうです。だからことあるごとに本を読んでいます。最近読んだのは『EAT 最高の脳と身体をつくる食事の技術』。スポーツというより食事に特化している本ばかりです。(合計)20、30冊くらい読んでいるんじゃないですかね」
――食以外で読む本は。
「『喜ばれる人になりなさい』って本があって、めっちゃ面白そうなんですよ。最近はこういう人間的な本を読んでいますね」
――選手としての成長には人間性も関わる?
「もちろんピッチが一番。ただ僕の考えですけど、サッカー選手も周りの人がいて成り立つもの。同じ活躍をしても応援のされ方が違う選手はたくさんいるので、僕はたくさんの人に応援してもらえる選手になりたい」
――サッカー人気の低迷ともリンクする。
「一流のスポーツ選手を見ても、愛される選手の方がいろいろな人が注目をするだろうし、選手の価値につながっている。だからそういう人間になりたい。誰にも左右されずに僕ができる最善のことだと思います」
――小学生の頃のサッカーノートは問答が続いていたと聞いた。今もそういう思考?
「答えが欲しい人間なんですよね。いいか悪いか、ゼロか100で付けたがっちゃう」
――瞬時の判断が求められるボランチ向き?
「僕、性格上、多分ボランチじゃないんですよね。ボランチの人って落ち着いていて物事をじっくり見られる人間だと思うんです」
――そういう哲学的な話が合う選手は?
「いますいます。冨安選手、中山選手も真面目で物事をしっかりと考えるタイプなので話は合いますね」
――サッカー人生における最終目標は。
「レジェンドになりたいです。全てのサッカーをする人が自分の名前を知っていて、引退してから何十年たった後にもこういう選手がいたと言われるような選手になりたい」
――将来的には監督業にも興味がある?
「好きなんですよね、監督業が。やったことないですよ。でも多分好きなんですよ。チームを勝たせることが好きなんです。それが監督ができる一番の仕事。楽しいだろうなと勝手に思っています」
――具体的な到達点がある中で、今回のW杯の位置づけは?
「仮に出るのであれば、いろいろな感情を味わいたい。そういうものを通じてまた新しい自分に出会えるのかなって思うので」
――なぜそう思う?
「もちろん五輪とW杯は違うんですけど、五輪から何を学んだかと言われると、悔しいという思いと結果しか残っていない。もっと深いものを味わえるし、味わわなきゃいけなかった。いろんなものを経験したからこそそう思える。自分のキャリアで行ける最高到達点をどこまで上げられるかが僕のサッカー人生で一番大切なこと。W杯という特殊な舞台でどういう感情を味わい変化が起こるのか。それがどういう未来に変わっていくかの方が楽しみだし、自分の人生において重要だろうなと思います。変わっているんですね、僕、多分。もちろん、勝ちたいですよ!」
◇田中 碧(たなか・あお)1998年(平10)9月10日生まれ、川崎市出身の24歳。小3で川崎Fの下部組織に入団。17年にトップ昇格。昨夏ドイツ2部デュッセルドルフに移籍した。東京五輪は全6試合に出場。A代表には19年12月のE―1選手権で初選出され、香港戦でデビュー。国際Aマッチ14試合2得点。1メートル80、75キロ。利き足は右。
≪1日のビーレフェルト戦で今季初得点≫昨年6月に川崎Fからデュッセルドルフに期限付きで加入し、今年4月に完全移籍した。今季は15日のニュルンベルク戦までリーグ戦10試合に先発し、1日のビーレフェルト戦では待望の今季初得点。「ずっと出させてもらっていたので、そろそろ取らないといけないというのもあったし、チャンスも多くあった中で外していたので、明確な数字が欲しかった。凄くホッとしている」と振り返った。日本代表では代表初得点を決めた昨年10月のW杯アジア最終予選オーストラリア戦から主力に定着し、4―3―3のインサイドハーフとして出場権獲得に大きく貢献。布陣が4―2―3―1に変わった9月の活動では初戦の米国戦でスタメンを外れるも、エクアドル戦では先発出場した。
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