日本代表MF伊東純也「番狂わせ起こす」 W杯の同組ドイツ&スペイン撃破で「世界を驚かせたい」

2022年10月20日 04:30

サッカー

日本代表MF伊東純也「番狂わせ起こす」 W杯の同組ドイツ&スペイン撃破で「世界を驚かせたい」
パリ近郊でインタビューに応じた伊東純也(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 11月20日のW杯カタール大会の開幕までちょうど1カ月。日本代表選手のインタビュー第3弾で、主力としてアジア予選突破に大きく貢献したMF伊東純也(29=フランス1部スタッド・ランス)が本紙の単独取材に応じた。今夏の移籍で欧州5大リーグに初挑戦している快足アタッカーが、自身初となるW杯への思いや世界を驚かせるための決意を語った。(取材・構成 古田土 恵介)
 ――自身初のW杯までちょうど1カ月。どんな大会にしたいか。

 「もう1カ月後ですか。ずっと客観的に見てきた舞台で、実感は全くない。目標は8強だが、まずは1次リーグ突破。個人としては1試合で1得点には絡んで、チームを助けられれば。世界中の人たちが(日本の入ったE組で)ドイツとスペインが決勝トーナメントに上がると考えているはず。勝ったら面白いことになるだろうし、番狂わせを起こして世界を驚かせたい」

 ――アジア最終予選後からW杯に向けて意識してきたことは。

 「特別に“これ”というものはない。とにかく、毎試合で結果を出そうとしか考えてなかった。クラブでも日本代表でも、結果を出せなかったら取って代わられてしまう。例えば代表ならば、(堂安)律もタケ(久保建英)も素晴らしい選手だし、他にもいいプレーヤーはたくさんいる。日々、実力を示していかないといけない」

 ――日本代表でも現体制の発足当初は先発でなくベンチだった。
 「やはり試合に出られないのは悔しい。(森保ジャパンの初戦だった18年9月11日の)コスタリカ戦では後半40分から起用してもらい、たまたま5分ほどで代表初ゴールを決めた。ベルギーに行って活躍できたことも大きい。結果を出したからこそ使ってもらえている。逆に言えば、自分がゴールに絡めず、他の選手が結果を出せば今とは立場が簡単にひっくり返ってしまう」

 ――今夏、ベルギーからフランスに移籍。欧州5大リーグに初挑戦している。

 「やはり身体能力の高い選手が多い。それでも、ベルギー時代と同じく、やれるという感覚は変わらない。今は2トップの一角を任されているので1対1はほとんどないが、その場面をつくれれば負ける気はしない。ただ、所属クラブのリーグでの立ち位置が違う。ゲンクはベルギーでも一、二を争うチームで常になんでもできた。今はフランスで中位から下位のチームなので、守備に回る時間は多く、攻撃のチャンスは少ない。でも、プレー自体は余裕でできる」

  ――新天地でポジションも新境地を開拓した。やりやすさなどは。

 「今のチーム戦術ならば、自由に動ける2トップの方が合っているかなと思う。“なるべくボールを引き出してくれ”と言われていて、横並びではなく縦並びになるので、2トップよりもトップ下という感覚。元々、間でボールを受けるのは嫌いではないし、大学でも同じポジションの経験があり、プレーしていて違和感はない。でも、中央よりはサイドでプレーしたい」

 ――2トップに挑戦することでスピード以外の武器が磨かれる。

 「FWなので、少ないチャンスで得点に絡むことを意識している。特にゴール前に入っていくこと。FWやトップ下はクロスを上げてもらってゴール前に飛び込む側なので、自分がサイドでクロスを上げる側だった時に入ってきてほしい場所に自分が入れるように意識している。あとは攻撃の際に2枚または3枚の状況が少なくないので、個で剥がす役割をもっと担えればより成長できると思う」

 ――クラブでは守備の時間が多い。その分、パワーの出しどころも学べる。W杯にもつながるのでは?

 「W杯1次リーグでは優勝経験国のドイツとスペイン、14年ブラジル大会で死の組を抜けて8強入りしたコスタリカと強豪ぞろい。特にドイツやスペインにはボールを持たれる時間が長くなると思う。我慢強く守備して良い攻撃につなげるところで、どれだけパワーを出せるか。少ないチャンスをものにできるか。クラブでの経験はある意味でいい練習というか、W杯で想定できるシチュエーションかなと思っている」

 ――初戦でぶつかるドイツの分析は?

 「9月23日のハンガリー戦の映像は確認済み。ドイツはあまり調子が良くなかったしチャンスはあるなと。崩すイメージはできているけど相手がどの国であれ、日本代表での自分の役割やプレーはあまり変わらない」

 ≪移籍後8戦3ゴール≫伊東は7月にベルギー1部ゲンクからSランスに完全移籍した。8月14日のクレルモン戦でデビューし、同28日のリヨン戦で初ゴール。今季はここまで8試合に出場して3得点を挙げている。日本代表では主に4―3―3の右FWとして攻撃をけん引。日本のW杯アジア最終予選最多タイとなる4試合連続ゴールを記録するなど活躍し、解説者の松木安太郎氏から「イナズマ純也」と名付けられた。布陣が4―2―3―1となった9月の活動では初戦の米国戦に右MFで先発した。

 ◇伊東 純也(いとう・じゅんや)1993年(平5)3月9日生まれ、神奈川県横須賀市出身の29歳。逗葉高、神奈川大を経て15年甲府に加入し16年柏に完全移籍。19年2月にベルギー1部ゲンク入りし、21~22年シーズンにアシスト王。22年7月にフランス1部スタッド・ランスに活躍の場を移した。21年11月23日に自身のSNSで一般女性との結婚を発表。J1通算131試合23得点。国際Aマッチ通算38試合9得点。1メートル76、66キロ。利き足は右。

 ▽W杯カタール大会 首都ドーハを中心に11月20日から12月18日まで開催。初めての中東開催で気温が50度近くになる通常6、7月の夏季を避けて日程が変更された。欧州主要リーグを中断して行われ、各国代表の準備期間は従来よりも大幅に短くなる。8つの競技場を使用し計64試合。32チームが8組に分かれて1次リーグを戦い、各組上位2チームが16強による決勝トーナメントに進出する。米国、カナダ、メキシコが共催する26年大会から出場枠が48に増えるため、32チームで争う最後の大会となる。日本とカタールの時差は6時間。

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