森保監督 試合後1時間以上経過しピッチ戻り一礼 試合後の円陣で伝えたこと、PKの順番、口にした課題

2022年12月06日 04:22

サッカー

森保監督 試合後1時間以上経過しピッチ戻り一礼 試合後の円陣で伝えたこと、PKの順番、口にした課題
<日本・クロアチア>試合終了して1時間以上経ったピッチに一人戻ってきた森保監督は、ピッチに一礼して引き揚げる(撮影・小海途 良幹) Photo By スポニチ
 【W杯カタール大会決勝トーナメント1回戦   日本1―1クロアチア(PK1―3) ( 2022年12月5日    アルジャヌーブ )】 サッカーFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会決勝トーナメント1回戦が5日(日本時間6日)に行われ、1次リーグE組1位の日本代表は同F組2位のクロアチアと対戦。延長戦でも決着はつかず、試合の行方はPK戦へ。PK戦は1―3で日本は敗れて史上初となる8強入りに届かなかった。
 これまで3度の決勝トーナメントは1回戦で敗れていた日本。大会前から「目標はベスト8以上。世界の舞台で新しい景色を見たい」と話していた森保一監督は試合後「選手たちはほんとよく頑張ってくれた。ベスト16の壁は今回も破れなかったけど、選手たちは新時代を見せてくれたと思う。これから先、日本のサッカーが最高の景色を願い続ければ、必ずこの壁は乗り越えられると強く思う」と選手をねぎらった。試合後、1時間以上経過してピッチに戻った森保監督は一礼をした。

 試合後の森保監督の主なやりとりは以下の通り。

 ――PK戦では神経とプレッシャーに負けた?
 「最後PKまで行かせなくて、この試合をものにできなかったことは、結果を受け止めなければいけないが、プレッシャーに負けてではなく、相手のGKが素晴らしいセービングを見せたから。むしろ日本の選手たちは勇気を持って勇敢に120分戦ってくれた。PKを蹴ってくれた選手たちは勇気をもってPKに臨んでくれた。できれば勝ちたかったが、PKは結果残念ですが、しっかり受けとめていきたい。選手たちの頑張りがこれで何か変わるものではない。胸を張って世界で戦えると示したこと、世界を越えていけることを示してくれたこと、誇りに思って次にいってほしい。日本の選手たちはまだまだ成長できる」

 ――試合後の円陣では何を言ったか。
 「正直、自分でも何を言ったか全て覚えてないが、まずは選手たちが、そしてチームスタッフがこれまで努力を重ねてきたことに対して私(から)の感謝と、結果にはつながらなかったが、選手たちの努力は色あせることはない、無駄なことはなかったと伝えた。ベスト16の壁は破れなくて新しい景色は見ることができなかったと言われるかもしれないが、ドイツやスペインに勝ち、W杯チャンピオンの経験を持つ国に勝つ、新しい景色は見せてくれた。何よりも日本が世界で戦い、世界に勝っていける新時代を選手たちが見せてくれたことを選手たちに伝え、そしてこの悔しさを次の成長につなげていってほしいと言った。サッカーを続けているかぎり、常に成長しながらレベルアップしながら戦っていかなければいけないことを伝えた。冒頭に言ったのは、私からの選手、スタッフへの感謝とともに、素晴らしいW杯という舞台に立って戦えたこと、それはこれまで多くの選手が道をつなげ、サッカーファミリー、国民の皆さんが共闘してくれたことに感謝をしようと伝えた。感謝を持って顔を上げて次に向かおうと伝えた」

 ――PKの順番は?
 「選手たちに決めてもらった。みんな勇気を持って自分が蹴るということをやってくれた。PKの成功、失敗はあるかもしれないが、プレッシャーがかかる中、勇気をもってチャレンジすることを見せてくれた。そのチャレンジを称えたい。見てくださっていた方々が、そのチャレンジや勇気を日常生活に生かしてもらえるように、選手たちの気持ちを感じてもらえたら嬉しい」

 ――前半は慎重に戦った。
 「皆さんのサッカーを見る見方は自由で全て受け入れたいと思うが、前半、確かに無失点に抑えながら試合を進めていこうと伝えたが、守備から攻撃というところ、カウンターやボールを保持するところはトライしていこうと伝えた。相手の強度もあり、相手のうまい守備もあるのでロストとした部分もあるが、カウンターやボールを保持する部分ではむしろよくトライしてしてくれた。それがあったから120分体力的に持った。ハーフタイムでは、1―0でリードしている中、しっかり守ってそこから攻撃に転じる部分はやっていこうと、相手の攻撃を受けて素早い攻撃につなげる部分をやっていこうと伝えたが、ボールを捨ててつなぐことを放棄して相手に試合の流れを完全に持って行かれることのないようにと伝えた。昨日のイングランド―セネガルのように、リードした後の状況であれば、いい守備からカウンターで試合を決めていく部分、今日のミーティングや試合前の準備では選手に話していた。素晴らしいトライをしてくれた。ロシアのW杯での反省で、リードしている中、保持率が下がること、押し込まれてしまい最後に試合を決められてしまう、体力的にも疲弊して最後まで戦えないところも反省点で常にポイントとしてもってきた中、保持率は分からないが、守備から攻撃になったときにつなぐ意識があるかないかが非常に大切で、そこは選手がよくトライしてくれた」

 ――完全に力を出し尽くした戦いになった。ベスト8の力があることは見せられた。何が足りなかったのか。
 「逆に何がたりなかったと思われていますか?」

 ――体力を削られた、つなぐべきところでつなげなかった。
 「おっしゃる通りだと思う。試合全般で見ると十分チャンスがつくれた。勝っていてもおかしくないような試合内容だったが、試合終盤はボールをつなぐことができない状態になった。今のベストを今日もぶつけてくれた。全てが一気には変わらない。いきなりスーパーマンにはなれない。地道に積み上げていくことが大切。これまでは間違いなく日本のサッカーが世界で戦える積み上げはできている。選手たちが成長しながら今日の戦いに全てをぶつけてくれた」

 ――ドイツ戦、スペイン戦のようにギアが上がらなかった。
 「相手が我々のことをとてもよく分析していて、良さを消した部分があったかなと思った」

 ――PKは運?訓練?
 「両方ある。これまでのいろんなことを育成年代も含めていろんな経験をさせてもらったが、ボールを強く狙ったところに決めていく部分では、日本と欧州や世界のトップを走るチームとは差があると感じてきた。今日の試合に関しては相手のGKが本当に素晴らしかった。もっと強く狙ったところに蹴られるから駆け引きができるように、というところは、日本サッカーのレベルアップのためには一つポイントとして改善していかなければいけないこと。必ず最高の景色がみられる日が日本のサッカーに来ると思う。感謝を申し上げるとともに、これから我々が世界で勝っていくためには国民のみなさんの応援と協力が必要ですので、素晴らしい選手たちを後押ししてほしい」

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