梅山修氏 J1新潟、選手全員がプレーモデル理解している強み

2023年07月03日 04:30

サッカー

梅山修氏 J1新潟、選手全員がプレーモデル理解している強み
新潟MF三戸 Photo By スポニチ
 【元アルビ・梅山チェック 新潟2―0広島】この日のボール保持率は47%。広島の圧は強く、自陣からボールをつないでいくビルドアップも、うまくいったとは言えない試合だった。
 しかし、押し込まれながらも4人のDFと4人のMFを中心にコンパクトな守備網を形成。最後は体を張る粘り強い守備をしたことによって、前に人数をかけてきた相手の背後へ速く鋭い攻撃を何度も繰り出した。見方によっては“押し込まれた”が、言い換えれば“自陣に引き込んだ”形となり、低い位置でビルドアップを開始する一つの目的と同じ状況を結果的に作り出せていた。

 その中で存在感を発揮したのが若い4人だった。これまでの左SBから最近ではCBでプレーしている渡辺は速さ、強さ、予測を武器に最後は体を投げ出し、試合ごとに安定感を増している。またこれまでサイドを主戦場としていた三戸も前節から中央でプレーするようになった。相手にボールがある時はFWとして守備を始め、自分たちのボールになった時、彼はフリーマンになる。

 プレーエリアに制限なく自由に動くそのスタイルは、相手にとっては捉えることが難しい。先制点を決めたシーンで彼が走り出したのはセンターサークル付近で、誰にもマークされずに約40メートルをスプリントして背後に抜け出して決めている。

 それと同時に見逃せないのは、三戸の自由を補完する小見との連動性だ。特にこの日は三戸が低い位置に降りれば高い位置に、左に開けば中央に、と常に逆の動きをして、お互いにフリーになる機会をつくっていた。

 また2―0の残り20分、より相手が前がかりになってきた時間に投入された秋山も素晴らしかった。中盤の低い位置で堅実なポジショニングから機を逃さずボールを奪取し、カウンターで決定的な得点機を3度も作ってみせた。

 今の新潟はプレーモデルが確立されているから、どこでどのようにプレーをすべきか全員が知っている。これは組織の強みであり、不可欠と思われていた誰かが抜けても、誰かがまた違う個性を持って現れ、チームの持続的な成長につながっている。

 次節は再びホームで神戸戦。リーグ3位の得点数とリーグ1位の失点の少なさを誇るチームに対しても、この日の勝利は自信になるだろう。(アルティスタ浅間監督)

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